ICT教育のタブレット活用のメリット・デメリット・導入手順とは?

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教育現場でICT教育の導入が加速するなか「タブレット学習」という言葉を耳にする機会も増えてきました。
ICT教育の導入にあたって、タブレットによるICT活用を検討している学校関係者の方もおられるのではないでしょうか。

今回はICT教育をタブレットで行う場合のメリット・デメリットと、ICT教育の導入手順についてご紹介します。

タブレット活用によるメリット

PC端末に比べ軽量で持ち運びやすい

今後の学校教育では、受動的な学びではなく、子どもたち自身が考え行動する「主体的な学び」が目標になります。これまでのように教室のなかだけで完結する授業ではなく学外で活動する機会も増えるでしょう。

タブレットは、PC端末に比べコンパクトで軽量です。バックに入れて気軽に持ち運べるうえ、デスクがなくても操作できるので、どこにいても使用できます。

スマートフォン世代の子どもにとっては、操作が簡単

タブレットはスマートフォンを使い慣れた学生たちが直感的に操作できるツールです。
苦手意識を持たずにICT学習に取り組めるでしょう。

疑問点があれば検索しすぐに情報を得ることができるうえ、写真や動画の撮影も簡単にできます。
記録をとったり情報収集したりという作業が手軽にできるため、自ら考え行動する「アクティブラーニング」に効果的です。

現代社会において、ビジネスで成果を得るためにはICTの活用が欠かせません。
タブレット学習で早い段階からICT活用に慣れておけば、高度情報化社会のなかでも活躍できるスキルを身につけることができるでしょう。

タブレット学習の効果

タブレットの活用は学習効果におけるメリットもあります。個々の学力・学習状況に合わせた学習内容を表示してくれて、ボタンを押せばいつでもどこでも勉強をスタートすることができます。また、動画やアニメーションの活用も可能なため、視覚的に学習を行うことができる点や、何度でも間違った問題に挑戦できることもメリットです。教員や保護者が学習状況をリアルタイムに把握することができるのも特徴の一つです。

タブレット活用によるデメリット

文字を自筆で書く機会が減る

タブレットによる文字入力では、わからない漢字も変換機能を使えば正しく入力できます。
タブレット学習だけに頼りすぎると「漢字を読めるけれど書けない」といったことが起こりやすくなります。また自筆の文字で想いを伝えたり気持ちを記したりといった古き良き文化から遠ざかってしまうことも懸念されます。

手書き学習とタブレット学習のメリットとデメリットを知ったうえで、バランスよく取り入れることが大切です。

情報発信や複数メンバーとの資料作成には不向き

タブレットは情報閲覧や視聴に向く反面、情報発信や他メンバーとの資料作成には不向きです。

文字入力の際にタイピングした感覚がないため、長文を作成するときにストレスを感じやすくミスも生じやすくなります。文字を削除したり、修正したり、追加したりといった細かい作業が必要な共同作業や資料作成にはタブレットよりもPCが向いているでしょう。

またPCに比べ画面が破損しやすい点もデメリットといえます。

キーボード入力が苦手になる

ビジネスシーンでは資料作成やプレゼンなどをタブレットではなくPCで行うことが多いでしょう。

タブレット学習では、キーボードで文書作成するスキルが身に付きません。ICT教育で学んだことを将来仕事で生かすためには、最低限のタイピングスキルは身に付けておく必要があります。

ICT教育の導入手順

ICT教育を導入し活用するためには、導入前から計画を立て、環境を整備しておくことが大切です。
以下を参考にしてください。

① ICT活用イメージ(目的)の策定

ICT活用の目的がハッキリしていないと、予算取得などのステップで頓挫したり、導入したのに使えないなどの事態が生じます。ICT教育を「どのように授業に取り入れるのか」「どういった成果を得たいのか」を定め、担当者や教員で共有しておきましょう。
またICT教育の効果を最大限得るためには、指導者のスキルも重要です。ICTスキル向上に向けた教員へのトレーニングが必須です。

② 情報を収集し予算を取得する

予算取得のときには役割の違う担当者による委員会を立ち上げ、ディスカッションを行う必要があります。
教育や保守といった多方面から情報を収集し予算を決定しましょう。

③ Wi-Fi環境を整備する

インターネット接続を前提とすると、ネットワーク回線が重要です。無線LANのアクセスポイントが端末の通信を捌けないと、せっかくのコンテンツも参照することができません。
ハブやルーターといったネットワーク機器も最新機種は通信速度も早く、高速処理ができるようになっています。端末を導入する前に使用環境の整備を進めてください。

④ 使用ルールを徹底する

タブレットはあくまで学習するためのツールですので、自宅や休み時間などの使用にはルールを定めておきましょう。
またシステム上の制限(自由にゲームできないようにする等)を設けておく必要もあります。

⑤ 保護者に説明する

各家庭負担でタブレットを購入する場合、タブレット活用の必要性や故障時の対応について保護者に説明を行い、納得したうえで購入してもらうことが大切です。

⑥ トラブル発生時の対応について取り決めておく

トラブルが起こったときにスピーディに対処できるよう、予め対応を検討しておきましょう。

上記の準備が整って、ようやく導入・活用が実現します。
目標設定や準備が中途半端なままで導入すると、「活用できない」という事態になりかねません。ぜひ参考にしてください。

まとめ

この記事では、ICT教育のタブレット活用によるメリット・デメリットと、ICT教育の導入手順についてご紹介しました。

タブレットはスマートフォンを使い慣れた学生たちが直感的に操作できるツールです。情報収集や視聴に向く反面、情報発信や共同作業には不向きというデメリットがあります。
ICT教育を導入する際には多方面の担当者とディスカッションしたうえで、端末の決定や環境整備を行いましょう。

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