業種(大学、専門学校など) | 小学校 | 職員数 | |
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所在地(都道府県) | 広島県 | 生徒数 |
先生が作成!小学校での Chromebook 活用事例
本記事で解説するのは、2020年から児童用端末としてChromebookを導入されている「なぎさ公園小学校」様の川人 祐介先生が、活用方法・課題・学内の反応などをありのままにまとめてくださった資料です。
本記事では、資料に記載していただいている内容を元に、販売パートナーの目線からポイントを解説していきますので、ぜひ元の資料もダウンロードしてご覧ください。
大変貴重な小学校でのChromebook 活用事例となっておりますので、学校様での Chromebook 導入や活用に是非ともお役立てください。
※販売店である弊社ミカサ商事は、ご提供いただきました本資料に関して、一切の推敲や変更のお願いを行っておりません。
川人先生からのメッセージ―PDFをダウンロードしていただく方へ
本資料は、コロナ禍による休校が開けた 2020年6月から10月までの Chromebook の活用事例についてまとめたものです。
Chromebook や G Suite for Education(※)の各機能については、もともと 2020年度から本格導入するつもりで準備していたものの、コロナ禍のせいで(おかげで)想定を大幅に上回る速さで、教員にも児童にも使い方が浸透していきました。その反面、「何に」「どう」活用していくのか?といったところが十分に整理・周知しきれていないというのも事実ですが、この数か月間の取り組みが学校内外で何かの役に立てばと思いまとめてみました。
― なぎさ公園小学校 川人 祐介先生より
※G Suite for Education は、現在の Google Workspace for Education の旧名称です。
活用事例レポートの内容
レポートでは、実際にどのように使われているかの活用事例だけではなく、導入のスケジュール感を含めた Chromebook 導入の流れや理由についても書いてくださっています。
また、「教員・児童の反応」として実際の校内の声をまとめてくださっているので、導入によって学校の様子がどのように変化したのかをイメージすることができます。1人1台の端末導入にあたっては、「実際やってみないと、どのように学校が変わるのか、何が起きるか想像もつかない」といった不安が生じやすいですが、なぎさ公園小学校様のレポートは、小学校での導入を具体化するヒントになりそうです。
※元資料はこちらからダウンロードしてご確認ください。
レポートの目次
●はじめに
●Chromebook導入の流れ
– 現状のICT環境
– ICT導入の流れ
– Chromebook 導入理由
●Chromebook活用事例
– 教科ごとの活用事例
– 機能ごとの活用事例
– 予約と管理について
●利用ルール
●課題と改善策
●教員・児童の反応
活用事例レポートの内容を販売パートナーの目線から解説
Chromebook を選んだ理由の「Google Workspace との親和性」とは?
レポート内の「Chromebook 導入理由」の一つとして、「Google Workspace (※資料内では旧名称のG Suite と表記されています)との親和性」が挙がっています。
Google Workspace との親和性が高いということは、具体的にどのようなことを指すのでしょうか。大きくは、以下の3点が挙げられます。
- Google Workspace の管理コンソールで、アカウントと端末を一括で管理できる
Google Workspace では、「管理コンソール」という無料のツールでアカウントの作成や管理を行います。Chromebookなら、利用中の Google Workspace に登録するだけで、管理コンソールで端末の情報や設定もまとめて管理できるようになります。ツールと端末を同じツールで管理できるので、管理にかかるコストや時間を削減することができます。 - Google アカウントで Chromebook にログインすれば、自分の Google Workspace 環境がすぐに立ち上がる
Chromebook は、Google アカウントでログインして使います。既に Google Workspace を利用している場合は、いつものアカウントでログインできるのでスムーズですね。また、普段使っている Chromebook を壊してしまい、代わりの Chromebook を使うときにも、自分のアカウントでログインさえすればすぐに普段通り使うことができます。 - スマホやタブレット用のアプリ版ではなく、ブラウザ版の Google Workspace の機能をフルで使える
Google Workspace には、スマートフォンやタブレット用のアプリ版も存在します。ただし、特に Google ドキュメントや Google スプレッドシートなどの編集系のツールは、アプリ版では使える機能に制限があります。Chromebook は、ブラウザ版の Google Workspace を使えるだけでなく、高速にブラウジングできるという特徴もあるので、ストレスなく Google Workspace のフル機能を使うことができます。
なぎさ公園小学校様では、iPad も導入候補に挙がっていたとのことですが、元々端末導入前に Google Workspace を利用されていたこともあり、親和性の高い Chromebook の採用に至ったということですね。
Chromebook や Google Workspace と合わせて利用している「ロイロノート・スクール」について
なぎさ公園小学校様の活用事例レポートでは、教科ごとの活用事例の中にロイロノート・スクールとの併用についても触れられています。
ロイロノート・スクールとは、株式会社Loilo が提供するクラウド型の授業支援ツールです。「カード」と呼ばれる要素を繋げてプレゼンテーションを作成したり、シンキングツールとして全員の画面に共有したりすることができ、主体的・対話的で深い学びに向けた授業改善に大いに役に立ちます。また、分かりやすく児童にも直感的に操作できるので、小学校でのICT教育にも多く採用されています。
参考:https://n.loilo.tv/ja/
にほんご(国語)でのロイロノート・スクール活用
レポート内では、各教科の活用例も掲載されています。例えば、にほんご(国語)では、ロイロノート・スクールで利用できるシンキングツールによって、以下のような授業が実践されているそうです。
・児童がグループに分かれ、単元の学習計画を作成
・資料から読み取れることをまとめる
・カードの配置を変えることで、文章構成を組み立てる
他の教科のロイロノート・スクールを使った授業例も掲載されているので、気になる方は是非元資料をこちらからダウンロードしてご確認ください。
教科ごとの活用方法の研究の重要性
川人先生は、学年別・教科別での利用率について調査を行った上で、「学年や教科の特性に合わせた活用方法の研究・提案が必要」とされています。教科や学年によって活用率に差異が生じることは想像できますが、どの時間でもICTの利点を最大に活かして授業の質を高めるために、教科ごとという観点での研究が重要だということですね。
なぎさ公園小学校での学年別・教科別の使用状況
※レポートより、グラフのみ抜粋しております。正確な数字などは元資料をご参照ください。
Chromebook では設定を児童と教員で容易に分けられる
なぎさ公園小学校様では、児童と教員で設定を分け、適切な利用が行われるように Chromebook や Google Workspace のアカウントを管理されています。
管理コンソール
Wi-Fi設定、アプリのインストール、ログイン情報、アカウント発行、機能制限、管理対象のグループ分けなどが一元管理できます。児童の使用状況を見ながら、教員の要望を聞きながら、状況に応じて、設定等を変化させています。最初は、全員同じ設定で運用していたのですが、教員と児童を別設定にし、いまでは、学年ごとに設定を変えて運用しています。
-なぎさ公園小学校 Chromebook 活用事例レポートより引用
このように、教育機関での安全で適切な利用のために、必要な設定を容易に実施できる点も、Chromebook や Google Workspace の利点の一つです。ただし、Chromebook を管理するためには「Chrome Education Upgrade」というライセンスが必要です。
Chromebook に対して設定できるセキュリティなどの設定内容や、Chrome Education Upgrade の詳細については以下の記事で解説しています。
参考記事:
- Chrome Education Upgrade とは? Chromebook の MDM を徹底解説【学校向け】
- 購入は必要?Chrome Education Upgrade あり/なしの違いを実際の場面を元に解説【学校向け】
活用事例レポートPDF の一部をご紹介!
教科ごとの活用例
まずは、レポート内に掲載されている各教科での利用例の一部を紹介いたします。
Google フォームで小テストを実施
6年生の算数の授業では、日々の宿題や小テスト、単元末テストはほとんどアンケート作成ツールの「Google フォーム」で実施されているそうです。
算数の「比例・反比例」の授業で、同体積の直方体の底面積と高さの関係を表に書き込み、スプレッドシートでグラフを作成しているそうです。
共同編集で児童が表に書き込んでいくことにより、反比例のグラフが出来上がっていくようになっています。視覚的に理解できますし、手書きのグラフに比べて何回も試行できるというメリットがありますね。
テキストマイニングで意見を可視化
社会の授業では、意見を集計し可視化できる「テキストマイニング」のツールを使った授業が行われています。
利用しているツールは無料のUser Local AIテキストマイニングとのことです。こちらは Google スプレッドシートからそのまま可視化できるので、Google Workspace との相性がいいツールです。
ドキュメントの共同編集を委員会活動にも利用
委員会活動でも、活動のスケジュールや役割分担を決める際に Google ドキュメントの共同編集を使ったりしているそうです。児童同士の話し合いや活動にも自主的に活用されている様子が分かります。
例)児童会
・Classroomにて次回の朝の会の司会原稿案を配信し、児童が共同編集。
→ 家でも出来る
・朝の会当日は、Chromebookで原稿を確認しながら司会を行う。
→ ペーパーレス直前まで変更可能
-なぎさ公園小学校 Chromebook 活用事例レポートより引用
Google Workspace for Education の各ツール(機能)ごとの活用例も
レポート内では、教科別の事例だけでなく、「Google フォーム」や「Google スプレッドシート」などツールごとの活用例と利用のポイントも掲載されています。ここではその一部を紹介します。
Google フォーム
アンケート作成ツールの「Google フォーム」をテストで活用する際には、「問題用紙は紙、解答は Google フォームから」というように使い分けることがあるそうです。これにより、
・Google フォームで回答欄を作成する際に、問題文の入力の手間が省ける
・「児童は Google フォームで解答送信し、自動採点されたら、紙の問題用紙に間違った問題の直しのみ記入」とすることで、 その場で復習ができる
という良さがあるそうです。まさに紙とオンラインの双方のメリットを生かした形ですね。
Google Jamboard
Google Jamboard は、オンラインで使えるホワイトボードのようなツールです。複数人で同じ画面を同時に見ながら話し合えるので、1人1台の端末と組み合わせれば、グループでの作業やオンライン授業でも役に立ちます。
学内では、以下のようなポイントから Google Jamboard もよく使われているようです。
・ポストイットで白紙に意見をはっていくイメージで複数人が同時に作業可能。
・新しい機能として、画像やテキストボックスも追加できるように
「ただし、同時編集が20人以上になるあたりから、新しく入れなくなったり、遅くなったりといった課題があります。」とのことです。
なぎさ公園小学校 Chromebook 活用事例レポート全編をダウンロード
本記事では、貴重な小学校での1人1台 Chromebook 活用事例を元に、ポイントを解説させていただきました。
記事で解説している以外にも、Chromebook の管理や利用ルールについてどうしているかや、より多くの活用例が掲載されているので、ぜひ元の資料をご覧ください。
導入担当である川人先生先生ご自身が作成された資料は、以下からダウンロードできます。↓ぜひ、学校様での Chromebook 導入検討や活用にお役立てください。