購入は必要?Chrome Education Upgrade あり/なしの違いを実際の場面を元に解説【学校向け】

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Chromebook を一括管理できる「Chrome Education Upgrade」ライセンスは、学習者用端末として Chromebook を導入する際に本当に必要なのでしょうか? 可能な限り費用を抑えるために、Chrome Education Upgrade なしでの導入を検討されている学校様向けに、Chrome Education Upgrade を購入した場合と購入しなかった場合でどのような違いがあるのかを解説します。

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Chrome Education Upgrade で Chromebook を一括管理

Chrome Education Upgrade (以下、「CEU」と表記)は、Chromebook を組織的に管理するために必要なライセンスです。
CEU についての基本知識は以下の記事で詳しく解説しています。↓

Chrome Education Upgrade とは? Chromebook の MDM を徹底解説【学校向け】

Chromebook の優位点を発揮するために必要な「Chrome Education Upgrade」というライセンスをご存知でしょうか。本記事では、特に学習者用端末として Chromebook の導入を検討する際に知っておきたい Chrome Education Upgrade の詳細について解説していきます。

Chrome Education Upgrade(CEU)なしでの導入は可能?

前提として、CEU はライセンスであり、Chromebook 本体とは別に用意する必要があります。そのため、CEU なしで端末本体のみ購入し、学習者用端末として導入することは、物理的には可能です。しかし、文部科学省の方針によると CEU は必須と考えられます(※詳しくは後述します)。
ちなみに、CEU は学校などの組織で管理するためのライセンスですので、個人的に使用するための Chromebook を家電量販店などで購入した場合などは、CEU は付いていません。

文部科学省のガイドラインでは CEU のようなツール導入が不可欠とされている

文部科学省は、「児童生徒1人1台端末の時代における教育情報セキュリティ」としてMDM の利用を不可欠とする方向性を出しています。
MDM とは、複数の端末を一元的に管理できるツールの総称で、CEU もMDM の一つにあたります。CEU は Chromebook 向けの純正の MDM ですので、Chromebook で1人1台端末の環境を実現する場合には基本的に CEU の導入を検討することになります。

文部科学省のセキュリティガイドラインに「MDMの利用」が不可欠という旨が記載されている

MDM(Mobile Device Management)の利用
児童生徒用の1人1台端末は、MDM(Mobile Device Management)等を活用し一元的に管理を行うことが必要です。
―引用:「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」 (令和3年5月版) ハンドブック- 文部科学省

Chrome Education Upgrade あり/なしの違いを解説

それでは、学校が CEU なしで Chromebook を導入した場合は、CEU ありの場合と比較してどのような違いがあるか、解説していきます。

最大の違いは「管理設定が行えるかどうか」

具体的な場面での説明の前に、大まかな違いをとらえておきましょう。CEU がある場合は、「Chromebook が学校の管理下にある」状態になります。個人が完全に自由に使用できる状態から、学校の管理者による操作の制限が掛かった状態になるというイメージです。
また、CEU が付与された Chromebook は、一覧で「管理コンソール」(Google Workspace for Education と共通の管理画面)に表示され、必要に応じて参照したり、一時的に操作をロックしたりすることができます。

管理コンソールで管理対象の Chromebook を一覧で確認できる
管理コンソールで管理対象の Chromebook を一覧で確認できる

想定されるリスクやトラブル場面での CEU あり/なしの違い

具体的に、学習者用端末として Chromebook を利用すると仮定して、想定されるリスクやトラブルの例に沿って見ていきましょう。

ケース1:生徒が端末を紛失した場合の情報漏洩

紛失した Chromebook を遠隔で操作ロック

学習に利用したファイルなどが第三者に漏洩するリスクは抑える必要があります。CEU があれば、万が一、児童生徒が自分の Chromebook を紛失したり、盗難に遭ってしまった場合も、遠隔で操作できないように即時でロックをかけることができます。

  • CEUなし:管理者による操作ロックができない。そのため、第三者による不正ログインなどのリスクが高まる
  • CEUあり:遠隔で、第三者が操作できないように管理者がロックをかけることができる

ケース2:学習に関係のないアプリケーションの利用

許可したアプリケーションのみインストール可能に

学習に関係のないアプリやゲームを許可なく触ってしまうことは、学習者用端末として Chromebook を利用するにあたっては防ぎたいところです。CEU がない場合は生徒が自由に様々なアプリをインストールできますが、CEU があれば管理者による制限をかけることができます。

  • CEUなし:生徒が許可なく多様なアプリケーションのインストールや使用を行う
  • CEUあり:管理者が許可したアプリケーション以外はインストールできないようにするなどの対策が可能

ケース3:他生徒の端末を不正に操作し、ファイルを削除するなどのいたずら

なりすましやいたずらを防ぐための設定
児童生徒同士で、他の生徒が離席している時に端末を操作し、無断でファイルを削除したり、ログインしたままになっているアカウントでなりすましメッセージを送ったりと、いたずらを行うことも考えられます。CEU があれば、管理者によってそのような事態を防ぐための工夫をすることができます。

  • CEUなし:端末の所有者本人が独自に防止設定を行う必要があり、
    意識の違いや抜け道が生じる。結果、本人以外が操作する可能性が高まる。
  • CEUあり
    1. ログインせずに操作が可能な「ゲストモード」を禁止
    2. 離席中に一定時間が経過した場合に強制的にパスワード入力を求める

    ほか、管理者側で多様な対策ができる

ケース4:学習に使用したファイルを許可なく外部へ共有するなどのトラブル

CEUを使った端末への設定機能でアカウント側の設定だけでは発生してしまう穴をふさぐ

Google ドライブなど、Google Workspace for Education に含まれるツールは共有に適しているものが多いため、許可なく外部にファイルが流れるような事態を回避する必要があります。特に、個人情報を含んだファイルや、校内で撮影した写真などを学校外の人に共有してしまわないよう、CEU を使ってより確実な設定を行うことができます。

  • CEUなし:Google Workspae のアカウントへの設定で、外部とのファイル共有を禁止していたとしても、Chromebook に個人の Gmail などの Google アカウントでログインできてしまうので防げない
  • CEUあり:アカウントやドライブ側の設定と併せて、Chromebook に以下のような設定をすることでより強固な対策ができる
    1. 学校で作成したアカウント以外(個人の Gmail など)では Chromebook にログインできないようにする
    2. ログインせずに操作が可能な「ゲストモード」を禁止する
    3. インターネットからダウンロードしたファイルの保存先を Google ドライブに限定する

これらのリスクやトラブルは一例です。他にも、多くのケースと対策が考えられます。特に1人1台の学習者用端末の導入にあたっては、機会の分だけリスクについても多くなりますので、CEU の導入を推奨させていただいています。

CEU がないと学内のネットワークに自動接続できない?

上述のようなトラブル状況ではありませんが、導入や運用の円滑さに関わる重要な事項について説明します。CEU を導入すると、特定の Wi-Fi などのネットワークに、管理対象の Chromebook を自動で接続させることができます。
反対に、CEU がない場合は、一度手動で ネットワークの情報を Chromebook に入力して接続する必要があります。もちろん、後者の場合も個人利用であれば問題はありません。しかし、学校のネットワーク情報を生徒に開示していない場合などは特に、学校で Chromebook 1台1台に先生方が手作業で接続設定を行う必要が出てきてしまいます。

CEUがなければ初回は手動でネットワークに接続する必要がある
CEUがなければ初回は手動でネットワークに接続する必要がある

Chrome Education Upgrade を導入するデメリットはある?

上述のように、教育現場でのリスクやトラブルの回避には CEU が必要であることが分かります。反対に、CEU の導入によって生じるデメリットはあるのでしょうか。数多くの学校様への Chromebook 導入経験に基づいたミカサ商事の考えとしては、「デメリットはない」です。CEU の導入によって、Chromebook が学校の管理対象になる、ということ以外の影響はありません。
続いて、学校が管理すること自体のデメリットがあるかどうかを考えていきます。

利用の自由度が制限されることの是非について

特に、家庭の費用負担によってChromebook を購入する場合は、学校による利用の制限などを行っていいのかという観点もあります。しかし、1人1台の端末を学校で使うにあたっては、保護者からは「適切に利用できるように管理してもらえるのか」、「勉強がおろそかにならないか」といった質問が学校に寄せられることが多いようです。むしろ、学習用の道具として学校による管理設定が適切に行われるかどうかのほうが、懸念されやすい傾向にあるといえるでしょう。
そのため、利用の自由度が制限されることについてはデメリットにはなり得ないと考えて良さそうです。

CEU 導入後に学校が行う管理設定の手間について

CEU を導入し、適切な管理設定を行うことは必要であることを理解していても、実際に学校で管理業務ができるのかどうか、ご不安を抱かれる場合があるかもしれません。しかし、ご安心いただけるとすれば、Chromebook は従来のパソコンと比べて非常に管理が容易であることでしょう。設定は「管理コンソール」という管理画面から行いますが、管理コンソールは一度仕組みを理解すると簡単に設定を変更することができます。
また、必要に応じて Google 認定トレーニングパートナー講師による研修なども依頼することができます。本サイト”G-Apps.jp”を運営するミカサ商事でも、認定講師による「管理者向け研修」の実施を承っております。導入当初に適切な知識を身につけておくことで、管理の容易さを理解しご不安を解消していただくことができますので、是非ご相談ください。

CEU の導入費用はどのくらいかかるのか

厳密に言えばデメリットとは異なりますが、CEU 導入にかかる費用については気になるところです。しかし、CEU は、一度購入すれば半永続的に使用できる買い切りのライセンスで、標準価格で4,200円(税抜)と、非常にコストパフォーマンスが高い MDM です。

↓CEU の費用や購入方法についても以下の記事で解説しています。

Chrome Education Upgrade とは? Chromebook の MDM を徹底解説【学校向け】

Chromebook の優位点を発揮するために必要な「Chrome Education Upgrade」というライセンスをご存知でしょうか。本記事では、特に学習者用端末として Chromebook の導入を検討する際に知っておきたい Chrome Education Upgrade の詳細について解説していきます。

Chrome Education Upgrade の導入についてはご相談ください

ミカサ商事では、本記事で解説した Chrome Education Upgrade や Chromebook の教育機関向け導入に多くの実績を有しております。また、Chrome Education Upgrade で反映させたい設定内容のアドバイスや、設定代行も承っております。200項目以上ある管理コンソールの設定項目の中から、教育機関向けに適切な設定をご案内し、ご要望に応じた設定を実施します。

導入時の注意点を踏まえて迅速な導入に向けてご支援いたしますので、お気軽にご相談ください。

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