【委員会活動での活用事例】
第一回 Google for Education™ 活用甲子園 ~図書委員会編~ イベント開催レポート

LINEPOCKETこのエントリーをはてなブックマークに追加

2022年11月12日(土)に開催した、「Google for Education 活用甲子園 ~図書委員会編〜」のイベントレポートを、各学校様の発表内容を交えてお届けします。全国からご応募いただいた学校の図書委員会の生徒様に、図書委員会での Google for Education の活用事例を発表していただきました! 参考になるだけでなく、それぞれの学校のストーリーや学び合いの姿勢に、感じ入るものが多々ございました。ぜひともご一読ください。

目次

イベント概要

基本情報

イベント名:「第一回 Google for Education 活用甲子園 ~図書委員会編~」
日時:2022年11月12日(土)14:00~16:00
場所:オンライン開催(Google Meet)
主催:ミカサ商事株式会社
後援:
・Google for Education
・日本学校図書館学会
・スクールエージェント株式会社
・日本エイサー株式会社

Google for Education 活用甲子園とは?

全国の児童生徒様に Google for Education を活用した普段のお取り組みをオンラインで発表していただく活用発表大会です。
GIGAスクール構想により1人1台の学習者用端末が整備された今、日ごろの児童生徒様の工夫や取り組みを、校内外問わず発表し合える世の中になっていけばと思い、このたび弊社として初めて公募制の発表型イベントを企画いたしました!
初回となる今回は、委員会活動に焦点を当て、全国からご応募いただいた図書委員のみなさまに、Google for Education の活用方法や取り組みについて発表していただきました。

当日発表してくださった学校様

当日は、以下の4校の図書委員会の生徒様に発表をしていただきました。

発表してくださった学校様(発表順)
・学校法人佐賀清和学園 様
・日本文理大学附属高等学校 様
・泉南市立一丘中学校 様
・宮崎県立延岡星雲高等学校 様
※いずれの学校様も、ご応募時にご記入いただいた学校名称にて表記しております。

審査について

審査員

・日本学校図書館学会 会長 吉冨 芳正 氏(明星大学 教授)
・日本学校図書館学会 事務局長 栗林 昭彦 氏(東京都小平市立第一中学校 校長)
・スクールエージェント株式会社 代表取締役 田中善将 氏

当日は、日本学校図書館学会会長の吉冨先生、同じく事務局長の栗林先生に、また、ICT教育の専門家であるスクールエージェント株式会社 代表取締役の田中先生に、審査員としてご協力いただきました。審査は、審査員が当日リアルタイムで発表を視聴し、次に記載する審査基準に沿って、学校図書館の活動の目的を踏まえて実施させていただきました。

審査方針と評価項目

審査方針

「Google for Education 活用甲子園」は、全国の学校様どうしで工夫や取り組みを共有し合い、さらなる学びの発展に向けて ICTツールの可能性を追求し、実行していくことを目指すイベントです。
そちらを踏まえ、イベントのテーマ、および、審査の軸といたしましては、以下の通りとさせていただきました。

図書委員会の活動の目的を実現するために
新しいツール=ICT(Google for Education)を活用できているか

評価項目


具体的な評価項目は以下の4点です。

1.生徒が書籍や資料を読んだり、学びに活かしたりしたいと感じるような工夫がみられるか
図書委員会での Google のツールを使った工夫によって、生徒の「読みたい」「これを学びに活かしたい」といった意欲を起こさせたり、関心を高めたりすることができているか(あるいはできそうか)。

2.書籍や資料に関する情報共有性が高いか
書籍や資料の情報を広めるために Google のツールを活用しているか。その結果、「より多くの生徒に」または「より多くの情報が」または「より密度の高い情報が」届けられている、などの結果になっているか(あるいはなりそうか)。

3.他校や自校内で再現性がある仕組みか
他の学校などの教育機関からみて、「すばらしい取り組みなので自校でもやってみよう」と思えそうか。自校の後輩の生徒が受け継ぎ、発展させていこうと思えそうか。

4.聞き手を共感させることができる発表(プレゼン)であったか
発表の内容、話の仕方、取り組みの伝え方、などから総合的に、聞き手が感じ入り、共感することのできるプレゼンだったか。

実施結果

当日、4校様に発表していただくと、主催の弊社・審査員ともに予想を超えて高度な活用を行われていたため、審査が難航いたしましたが、20分の審査を経て、僅差で以下のような結果となりました。



最優秀賞:
日本文理大学附属高等学校 様

優秀賞:
学校法人佐賀清和学園 様

奨励賞(発表順):
泉南市立一丘中学校 様
宮崎県立延岡星雲高等学校 様

※いずれの学校様も、ご応募時にご記入いただいた学校名称にて表記しております。

各校様の発表内容・インタビュー

それでは、各校様の発表内容をぜひご覧ください。実際に生徒のみなさんが Google スライド™ を使って作ってくださったプレゼン画面の一部も掲載させていただきます。
※一部、著作権の関係上、画像を非表示にさせていただいている部分や、メーカーのブランドガイドラインに適合するようサービス名称等を修正させていただいた部分がございます。

最優秀賞 日本文理大学附属高等学校 様

学校法人文理学園 日本文理大学附属高等学校 
所在地:大分県佐伯市
学校HP: https://www.nbu-h.ed.jp/
ICT環境:Google Workspace for Education、生徒1人1台の Chromebook™、Amazon Fireタブレット、大型モニター(各教室に一台)、PC教室×2(Windows PC)、Wi-Fiネットワーク

第一回の Google for Education 活用甲子園 ~図書委員会編~の最優秀賞に輝いたのは、「日本文理大学附属高等学校」様でした。おめでとうございます!

情報技術科と連携した図書システムの構築

普通科4コースと情報技術科2コースからなる日本文理大学附属高等学校の図書委員会では、情報技術科と連携し、独自の図書システムを作り上げて運用しているそうです。その全体図がこちら・・・!

Google Apps Script での開発機能なども使い、各ツールの機能をつなげてシステムを作り上げています。発表では、それぞれのシステムについて詳しく教えてくださいました。

図書管理を Google Apps Script で自動化!

図書受入では、図書委員が図書のバーコード(ISBN)を読み取ると、スプレッドシートに情報が読み込まれます。スプレッドシートに Google Apps Script の 6次関数のプログラムを仕込み、図書館検索サイトの「カーリル」から図書名などをスクレイピングし、表示させるようにしているそうです。

※スクレイピング(Webスクレイピング)・・・Webサイトから情報を抽出する技術のこと。
※Google Apps Script ・・・Google が提供する、軽量のアプリケーション開発のためのローコードプラットフォーム。主に Google の各アプリケーションに接続し、様々な処理を自動化することができる。

こちらが実際のプログラムです。技術力を存分に活かし、Google Apps Script で図書管理を自動化する仕組みはまさにお見事、脱帽です。

図書紹介にもプログラムを活用! Google サイトで作ったホームページに公開

さらに、新着図書やおすすめ図書の紹介にもスクレイピングの技術を活用。Amazon から対象の図書の画像を抽出し、Google サイトで作った図書委員会のホームページで学校内に公開しています。

※本サイトへの掲載にあたりましては、著作権の関係上、図書画像は非表示にさせていただいております。

図書委員会のホームページがこちら。新着図書、おすすめ図書、おすすめ音声などの情報発信を行っているそうです。

おすすめの図書を生徒から Google フォームで収集し、Google スプレッドシートに Google Apps Script で書いたプログラムを仕込み、画像を抽出して Google サイトで公開、というフル活用をさらっとやってのけていらっしゃいます。図書委員会内での情報伝達にも Google Chat (チャットツール)を使っているそうです。

今後の課題

さらに、今後の課題として、「図書室の活用促進」、「生徒の主体的な活動」、「活動の定着」、「図書システムの改善」などを挙げていただきました。高い技術力を活かしてさらに活動やシステムを発展させていくことが想像でき、とても楽しみですね。

発表してくださった生徒様のコメント

情報技術科
大石 敏登(おおいし はやと)さん(高3)

授業で学んだことを活かすことができてとても嬉しいです。これからは利用する生徒から出た意見や改善点に対応して多くの生徒が図書室を利用してもらえるようにしたいです。また図書委員会だけでなく他の委員会での活用方法も考えていきたいです。

図書委員会 副委員長
赤田 萌依(あかだ めい)さん(高2)

情報技術科の方のおかげで図書委員会委員長と話していた『本の貸し借りの効率化』の実現が叶いました。これからも情報技術科の方たちと連携を取り、より良い図書室を作って行けるようにしていきたいです。

日本文理大学附属高等学校様には、大人顔負けの高度な技術力を駆使して活動を行われていることを発表していただきました。赤田さんがコメントしてくださっている通り、情報技術科の大石さんと力を合わせて実現されているとのことから、学校内での生徒様同士の「学び合い」や、 ICTツールの活用に関する試行錯誤が盛んに行われていることが想像できます。
改めまして、このたびは最優秀賞の受賞、誠におめでとうございます。

優秀賞 学校法人佐賀清和学園 様

学校法人佐賀清和学園 佐賀清和高等学校
所在地:佐賀県佐賀市
学校HP:https://www.saga-shigaku.com/school/seiwa/
ICT環境:Google Workspace for Education、生徒1人1台の Chromebook、Google Classroom の日常的な活用、Google Meet を活用したオンライン授業

優秀賞を受賞されたのは、「学校法人 佐賀清和学園」の「佐賀清和高等学校生徒会図書部」様でした。おめでとうございます!

図書館を Google のツールでもっと便利に!「利用者が少ない」課題の解決

佐賀清和高等学校の生徒会図書部では、「利用者が少ない」という課題に対し、Google のツールを使って利便性を向上させる取り組みを行われており、その内容について発表していただきました。

図書館の利用者が少ない理由を分析

図書部では、「図書館の利用者が少ない」という悩みに対し、それはなぜか考えたそうです。具体的には、部活動に入っている生徒や、スクールバスを利用している生徒の一日の行動を分析したとのことです。


その結果、「昼休み」は「友達と過ごして時間がない」「昼食後は気が進まない」、「早朝」や「放課後」は「部活動やスクールバスの時間に重なり利用しづらい」などの理由により、図書館の8:30~18:00という開館時間内に行きづらい状況である、ということを見出したそうです。
さらに、部活動に入っている生徒とスクールバスを利用している生徒を合わせると、全校生徒の70%(677人)を占めることも調査で明らかになったとのことです。

貸出予約20%UP!? 図書館を利用しやすくする取り組み

状況を把握した図書部の皆さんは、大きく4つの取り組みを行われました。

1.Google フォーム を使ったオンライン貸出予約
一つ目の取り組みは、従来は図書館に行かなくてはできなかったという、「図書の貸出予約やリクエスト」をオンラインでできるようにしたことです。
この仕組みは、Google の提供するアンケート作成ツール「Google フォーム」を使って実現されています。生徒は自分の Google アカウントでログインしてフォームを送信するだけで、いつでもどこでも予約やリクエストができるようになったということですね。



集計やデータ化はGoogle スプレッドシートを利用されています。

結果:本の貸出予約件数が20%も向上!
なんと、この取り組みの結果、前年度に比べて 20% も本の貸出予約件数が増えたとのことです。成果はもちろん、しっかりと効果測定まで行われていること自体が、素晴らしいですね。

2.図書館だよりを Google Classroom に配信
2点目の取り組みは、Google Classroom で生徒に向けて図書館だよりを配信するようにした、とのことです。

※本サイトへの掲載にあたりましては、著作権の関係上、図書画像は非表示にさせていただいております。

この取り組みで感じられた効果としては、「図書館だよりに掲載した本を読みたいという人が増えた」、「図書館だよりを紙からデジタルに変更したことによって、どこでも閲覧できるようになった」「ペーパーレス化による、SDGsへの良い影響もみられた」とのことです。

図書館だより自体も Google ドキュメント™ で作成されているそうで、普段の活動から Google のツールを盛んに活用されている様子が伝わります。

3.Google サイトで図書館のホームページを作成
そんな中、新たな課題が浮かんできました。1つめの取り組みの「オンライン予約フォーム」の URL も Classroom で配信したので、時が経つにつれてその投稿が埋もれてしまい、Classroom 上で大量の連絡を遡る必要があり、利用しづらい状況になってしまったとのことです。

そこで、3つめの取り組みとして、図書館の専用のホームページを作成することで、情報を集約化したそうです。
ホームページは、Webサイトを無料で作成できる「Google サイト」を使って作成し、予約フォームや必要な情報に生徒がアクセスしやすくなっています。

このアイデアは、県立図書館や市立図書館がどうしているのか調べた結果、図書館独自のホームページを作るということに思い至ったとのことです。



こちらが実際の図書館のホームページです。必要な情報に簡単にたどり着けるようになっています。デザインも重厚感とおしゃれさを兼ね備えていますね。

4.図書館主催イベントのオンライン化
1~3つめの取り組みは「日々の活動での活用」として挙げていただきました。4つめの取り組みは、「企画での活用」として、本に親しみをもってもらうための各種イベントに Google のツールを活用している事例を発表してくださいました。

作品に登場する場所や文学のゆかりの場所に行く「文学散歩」イベントでは、従来は紙のみで行っていた参加者の募集やルート指定を、オンラインでも行うことにしたそうです。
ルートに関する情報伝達や、ルート決めのアンケートなどにも Google Classroom や Google サイトを活用されています。

効果:参加者が2倍に!
なんと、このような参加者が前年度に比べて約2倍になり、過去最高人数を記録したそうです。

さらに、このような活用の結果、ルートの数も従来よりも多くでき、人数を分散させることで、新型コロナウイルス感染症対策もできたとのことです。やりとりできる情報の量が多くなった結果、新たな効果が生まれるという ICTのメリットが現れていますね。

浮かび上がってきた課題に対応!

その他、文化祭での図書の紹介POPカード作成のコンテスト(POPコンテスト)でも、投票をオンラインでできるようにしたそうです。さらに、投票率を改善するために、ICT担当の先生に頼み、図書館のホームページを全生徒のブラウザのブックマークに追加してもらったそうです。

(このように、自分たちで見出した課題に対して、周りの人の協力を得ながら解決していく姿勢は、社会人としても改めて学ばせていただくものがあります。)

また、今後の課題としては、「図書部の活動について知ってもらうこと」「本に触れる機会を増やして様々な本を紹介し、興味を持ってもらうこと」の2点を挙げてくださいました。

発表してくださった生徒様のコメント

石橋 望美(いしばし のぞみ) さん(高2)
立山 翔万(たてやま しょうま)さん(高2)

優秀賞というありがたい賞をいただいて、本当に嬉しいです。本当にありがとうございます。
他の学校の皆さんは、ビブリオバトルなど色々な企画で私達が想像していなかったところで使用していたりしていて、本当にすごいなと思いました。
中でも図書館の貸出についてなどにはとても参考にできる部分があり、ぜひ自分の高校でも採用したいと思いました。本日はこのような貴重な場を設けていただき、ありがとうございました。

これからも、佐賀清和高等学校の生徒会図書部の皆さんは、課題解決の姿勢をもちながら、図書館の発展のために ICTツールを活用していかれることでしょう。
改めまして、このたびは、優秀賞の受賞おめでとうございます。課題、目的、手段が明確になった素晴らしい発表を本当にありがとうございました。

奨励賞 泉南市立一丘中学校 様

泉南市立一丘中学校 
所在地:大阪府泉南市
学校HP:http://sennan-ichioka.jp/
ICT環境:Google Workspace for Education、生徒用 iPad(LTE接続)、Google Meet を活用した交流

今回、唯一の中学校によるご発表となった「泉南市立一丘中学校」様。図書委員会によって学校内で開催された、 Google のツールを使ったビブリオバトルの実演を交えた発表がとても心に残りました。

当日、Google Meet でのビブリオバトルを実演してくださった栗山さん。
さすが図書委員と思わせる本に対する思いも伝わり、発表の始めに視聴者をぐっと引き込んでくれました。

「感動を分かち合おう」オンラインのビブリオバトル実践報告

一丘中学校様では、出場者が本を紹介し、生徒が観戦する「ビブリオバトル」をオンラインで開催されたそうです。コロナウイルスの影響でなかなか全校集会が開かれない中、Google Meet(ビデオ会議ツール) による発表を生徒が観戦できるようにし、見事に成功させたことを発表していただきました。

-私たちの学校では Google Meet を使って全校生徒が一堂に会し、様々な取り組みを実践してきました。私たちは、「より本に興味を持ってもらうにはどうしたらいいか」、「夏休みの宿題を誰が読んでくれるかわからない」、「読書感想文でいいのか?」、「全校生徒が取り組めるイベントができないか」といった点で意見を出し合いました。

ビブリオバトル自体が初めての企画で、記念となる第一回の開催となったようです。新しいことにチャレンジする姿勢がとても素晴らしいですね。

先生と協力し総合的な学習の時間を活用!

ビブリオバトルの開催にあたっては、出場者としての振る舞い方、原稿作り、練習などを「総合的な学習の時間」でできるように、先生と協力されたそうです。その時間を経て、クラス単位で代表を選出し、その後は学年代表を選び、本選を開催する、という大規模なイベントとなりました。

ビブリオバトルで深まる読書

ビブリオバトルに出場者としても自ら参加された栗山さんによると、ビブリオバトルの開催によって「読書の仕方が変わった」とのことです。

-ネタバレしないように本を紹介するために、あらすじやポイントを意識することができ、新しい発見があったり、登場人物の考えなどを深く考えることができました。

本に対する関心を呼び起こすだけでなく、発表するために読書自体も深まるという素晴らしい効果があったということですね。ビブリオバトルの開催によって、出場した多くの生徒にそのような良い影響を起こすことができたということがうかがい知れます。

ビブリオバトルが終わった後は、「図書だより」で結果発表を行い、図書室にビブリオバトル専用のコーナーを作ったそうです。

※本サイトへの掲載にあたりましては、著作権の関係上、図書画像は非表示にさせていただいております。

図書館の利用者も増加!結果は「大成功」

ビブリオバトルは、開催するきっかけだった「本に興味をもってもらう」という目的も果たし、大成功といえる結果になったそうです!

-私達の取り組みは大成功しました。普段図書室を利用しない子が友達を誘って、ビブリオバトルの本を借りに行きました。それまで手にすることがなかったジャンルの本を借りていった友達もいます。先輩方の発表も見ることができ、来年に繋げたいと思いました。

-ビブリオバトルを開催した結果、私たちの取り組みを発表できる今日のような機会を得ることができました。私たち生徒だけで全てを実行したわけではありません。Google Meet の接続などの設定、印刷、授業時間の確保と、先生方を中心に一丘中学校の全員が協力してくれたからこその結果だと考えています。

発表してくださった生徒様のコメント

栗山 悠希(くりやま ゆうき)さん (中3)
西尾 帆杏(にしお ほなら) さん (中2)

こうして、自分たちの学校の取り組みをいろんな先生方に披露することができて、とてもよかったなと思います。ビブリオバトルという活動をこんなに大きいところまで持ってこれたことがすごく良かったなと思います。ありがとうございました。

先生の協力も得て授業時間も使い、初めての試みとなるビブリオバトルを成功させたお話に感服いたしました。チャレンジ精神と巻き込み力が素晴らしいです。第二回、第三回と、ビブリオバトルの今後の開催も楽しみですね。
図書委員会での意欲あるストーリーが伝わってくるご発表を本当にありがとうございました。

奨励賞 宮崎県立延岡星雲高等学校 様

宮崎県立延岡星雲高等学校 
所在地:宮崎県延岡市
学校HP:http://nobeokaseiun.ed.jp/
ICT環境:Google Workspeace for Education、Microsoft 365 for Education、生徒1人1台 の Chromebook (1年生)、Classi(1年生)、スタディサプリ(2年生)

「宮崎県立延岡星雲高等学校」様では、図書委員会での活動を効率化するために Google Classroom を使って活動している様子を、分かりやすく発表してくださいました。

ちなみに、発表画面に映っているキャラクターは、延岡星雲高校のマスコットキャラクター「星ちゃん」だそうです。

多くの活動をこなす図書委員会での Google Classroom 活用!

延岡星雲高校の図書委員会は、計30人で「貸出本数2500冊」を年間目標として活動しているそうです。
ー私たちは、1年間メンバーの交代なく活動を行っています。デジタル化が進んでいく中、紙の本に触れてもらう機会を増やすため日々活動に励んでいます。

主な活動として、「本の貸出手続き」、「本棚の整頓」、「図書室内の清掃」、「本の紹介ポスターなどの制作」といった日々の活動のほか、「百人一首大会の練習会」、「古本バザー」、「ビブリオバトル」などのイベント運営も盛んに行われています。


委員会メンバーの人数も多く、活動も大忙しなので、メンバー間の連絡や情報共有がとても大事になってきそうですね。

Google Classroom でのコミュニケーション

そこで、延岡星雲高校図書委員会の皆さんが活用されているのが Google Classroom です。
ー 図書委員会の Classroom を作成し、活動の記録や、委員会メンバーへの連絡を行っています。

- Classroom では、活動の写真を投稿したり、活動の報告をしたり、メンバーが忘れている活動を連絡したりしています。また、スマートフォンや家のパソコンでもプリントを作成できるように、作成するツールを共有したり、口頭で連絡するのが難しいときの連絡のために活用しています。
例えば、文化祭の準備や当日の様子をタブレットで撮影し、その写真を使いパソコンで図書館だよりを作成するために使用しています。

- Classroom の具体的な用途としては、写真を撮影するタブレットではプリントの作成が難しいので、タブレットからパソコンに取り込むために使用しています。活動連絡では、次回の活動内容の詳しい報告、注意事項、忘れている活動の連絡を行っています。活動の様子の写真をあげることもあります。

Classroom での情報伝達を盛んに行われているからこそ、大人数の図書委員会で、様々な活動をこなすことができているのですね。生徒様どうしの日々のコミュニケーションの手段として、ICTツールが自然に溶け込んでいる様子が伝わってきます。

今後の課題

さらに、今後の活動についてやってみたいことも発表してくださいました。

-私たち図書委員会が今後やってみようと思っていることは、

・活動の話し合いや、必ず口頭で伝えなくてはならない連絡などを、Classroom の「ミーティング機能」を利用して行う。
・活動の報告を生徒側が積極的に行う。
・本の紹介を行う。
・入荷する本のリクエスト

です。現在図書委員会のみで Classroom を使用しているため、これを全校生徒に利用してもらうようにして、その場(Classroom 上)で本の紹介をしたり、ビブリオバトルのチャンプ本の紹介や、Google スプレッドシートを使った入荷本のリクエストをしていこうと思っています。

委員会内だけでなく、全校生徒への情報発信などにも使っていきたい!と今後がますます楽しみですね。

発表してくださった生徒様のコメント

鮎川 愛美(あゆかわ まなみ)さん (高3)
飯干 結月(いいほし ゆづき)さん (高3)

私たちは3年生で来年卒業するので、この発表を聞いて、次の1年生・2年生たちにどんどん Google サイトなどを使って図書委員会を広めていってほしいと思っています。ありがとうございました。

大人数の図書委員会で日々の活動に Google Classroom を活用されている宮崎県立延岡星雲高校様。
Google for Education 活用甲子園の開催の思いとして、「学校内外の学び合い」が重要なテーマとなっております。「後輩にどんどん活用して図書委員会を広めていってほしい」というお言葉を嬉しく感じると同時に、このような機会がそのきっかけになればと願う一心です。
このたびは、忙しい日々の中、活動についてご発表いただき、本当にありがとうございました。

審査員インタビュー

全員が教育関係者でいらっしゃる、審査員の皆さまの当日の総評、ご感想コメントです。
ご紹介は審査員をご覧ください。

吉冨先生 (日本学校図書館学会会長・明星大学教授)

皆さんお疲れ様でした。とても緊張されたことと思います。でもとってもいい経験になりましたね。
審査は大変もめまして、本当に僅差といいますか、どの学校もそれぞれ良さがあるわけで、甲乙つけがたいというのが実際のところでした。

佐賀清和学園様は、色々な学校図書館に関する問題があることを洗い出して調査して、検討して改善するというプロセス、それを自分たちでもおやりになって、プレゼンのやり方としても活用なさったので非常に説得力のある内容になったと思います。

日本文理大学附属高等学校様は、私がいいと思いましたのはやはり全校体制で情報技術科と図書委員会が非常に密接に連携をされていて、そしてICTを使った様々な取り組みをされているっていうところがとっても良かったですね。

泉南市立一丘中学校様は、まず最初の本の紹介が、ぐっと胸に刺さりました。そして総合的な学習の時間も生かして、ビブリオバトルをやって、そして全校での読書の拡大に繋げていく。読書感想文って何のために書いてるんだろう、というところまで問いかけていく、非常に優れた取り組みだったと思います。

宮崎県立延岡星雲高校様も、たくさんの取り組みをなさっていて、そして「紙の本に触れる機会を、ICTを使って増やす」という、そのコンセプトがとってもいいなと思いました。

こんな具合に学校図書館というのはとても素晴らしい場所であり、機能を持っていますので、生徒の皆さんが、自分たちの学校図書館っていいな、という思いを持って、そして、ICTという新しいツールを使って学校図書館の良さをどんどん生かしていくということを、これからも期待したいと思います。

栗林先生 (日本学校図書館学会事務局長・東京都小平市立第一中学校 校長)

本日は本当にありがとうございました。またお疲れ様でした。こういう形で発表会に参加したのは初めてです。

この、機械の進歩といいますか、私もあまり詳しくないのですが、本当に日進月歩だなと、Google の活用も日常化してきてるんだなというのがよくわかりました。
それぞれの学校について申し上げたいところですが時間もありますのでまとめて申し上げます。

4校とも、一番素晴らしいなと思ったのは、生徒の皆さん自身の問題意識から様々な取り組みが始まっているというところです。もっと本を読んでほしいとか、図書室への学校図書館への来館者を増やしたいとか、そういった思いから何ができるだろうと考えていく上で、Google の様々な機能を使っていくところは、本当に私たちにない発想で、大変素晴らしいなと思いました。

学校図書館の活用などについてこれだけ色々なアイディアが出たということを、やはりもっと広く知らしめたいと感じました。
世間では、「学校で端末をどんなふうに使ってるんだろうか。ドリルか何かにしか使っていないんじゃないかしら」と思っている方もいらっしゃるかもしれない中で、これだけ色々と工夫していらっしゃる学校があるというのは本当に素晴らしい。
もっと広く知ってもらいたいなと、4校の発表を聞きながら思った次第です。本当に今日はどうもありがとうございました。
 

田中先生 (スクールエージェント株式会社 代表取締役)

趣旨として、やはりこのコンテストというものの性質上、最優秀賞、優秀賞は当日のプレゼンテーションでどれだけ普段の様子が伝わったかというところも影響して決まってしまったのですが……。
私は中でも、「文学散歩」だったり「ビブリオバトル」といったアイディア、その時のその熱意が、やはりどの学校さんからも見て取れたことが非常に良かったなと感じています。

本当に本が好きなんだなと、本が大好きで「何とか皆さんに紹介したい」という思いが一番重要で、そこが見られたのは、本当に幸せなことだなと、審査員として思いました。

技術に関しては、正直に言ってもう最先端だと思います。皆さん、今日は日本の学校のモデルになるようなケースを投下していただいたと思っています。本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

主催より

ミカサ商事株式会社

今回、Google for Education 活用甲子園は第一回の開催となりましたが、図書委員会の皆さまには、想像を超えた素晴らしい活用事例を発表していただきました。
前例のない発表会にチャレンジ精神を持ってご応募いただきましたこと、本当にありがとうございました。

ICT活用のスキルももちろんですが、それ以上に驚きましたのが、どの学校様も、問題解決の姿勢をもって活動に取り組まれているということです。
コロナ禍で従来の形での活動ができない部分もありながらも、その中で「利用者を増やすためにはどうするのか?」「本に興味を持ってもらうためには?」「委員会内の連絡をスムーズにするには?」など、自分たちで考えた課題に対して向き合うストーリーに本当に感動しました。

また、先生に協力してもらったり、異なる科の生徒様同士で連携してシステムを作り上げたりと、取り組み方がまさに「協働」だと感じました。ICTツールを使うと協働学習がしやすい、というお話以前に、生徒の皆さん自身の姿勢が、周りの人との協力によってよりよい結果をもたらすということを感じ入りました。

今回は生徒様による発表会を弊社として初めて開催させていただきましたが、中心テーマである「もっと学び合える世の中へ」、一歩を踏み出す一助となればと願っております。

当日ご視聴いただきました皆さま、審査員の皆さま、そして、時間がない中、本当に素晴らしい発表を準備していただき、取り組みを共有してくださった生徒の皆さま、本当にありがとうございました。

(ミカサ商事株式会社 システムソリューション文教営業部)

教員向け活用コミュニティにぜひご参加ください

教職員限定 の活用コミュニティ、「G-Apps.jp Community (Facebookグループ)」では、

・現役教員による月2回のオンライン活用講座を開催
・Facebook 上で Google for Education に関する質問や相談受付
・Google for Education に関する各種情報発信

などの活動を行っております。活用講座の動画アーカイブが見れるだけでなく、今後、学校現場のDXを促進するためのノウハウなどの発信も予定しておりますので、ぜひともご参加ください!

▼参加はこちらをクリック▼
教員による活用講座開催中!G-Apps.jp Community

参加方法:Facebook グループのページで「参加」をクリックしてください。
※Facebook アカウント(登録無料)が必要です。
※教育関係者様であることを確認の上、参加承認させていただきます。

Google for Education、Google Meet、Google スライド、Chromebook、Google Chat、Google スプレッドシート、Google サイト、
Google ドキュメントは、Google LLC の商標です。