学校向け
Chromebook 導入の手引き

購入内容の検討

Chromebook を管理するためのツール「Chrome Education Upgrade」は必要?

Chromebook を管理するためのツール「Chrome Education Upgrade」は必要?

学習者用端末としての Chromebook 導入ガイドブック

自校への導入を検討する際に、情報が不足しがちなのが Chromebook です。そこで、Chromebook の販売としての経験を元に、今まで Chromebook を導入してきた学校様からよくご相談いただく事項を一冊にまとめました。

Q1 Chrome Education Upgrade とは何ですか?

A1 Chrome Education Upgrade とは、Google 純正のMDM(端末管理ツール)です。
学内の Chromebook を一括で管理することができ、安全性の向上などの対策が可能になります。

Chrome Education Upgrade(CEU)とは?

Google 純正の Chromeboook 用のMDM

Chrome Education Upgrade(クローム・エデュケーション・アップグレード、CEU)とは、Chromebook を開発した Google 純正のMDM(端末管理ツール)です。学内の Chromebook を一括で管理することができ、安全性の向上などの対策が可能になります。
本記事では、Chrome Education Upgrade を以下「CEU」と表記いたします。

Chrome Education Upgradeを使えば Chromebookを一括管理できる

MDMとは?

MDM(Mobile Device Management)

MDMとは複数の端末を一元管理するためのツールの総称です。

より詳しく知る

Chrome Education Upgrade について、詳細は以下の記事で詳しく解説しております。より詳しくお知りになりたい場合はご参照ください。↓

Q2 Chrome Education Upgrade(MDM)の必要性について考えあぐねています。購入した場合と購入しなかった場合の違いを教えて下さい。

A2 「安全上のリスク回避」や「トラブル防止」のために有効な管理設定が行えるかどうかの違いがあります。
学校現場で想定されるリスクに対して、Chrome Education Upgrade が具体的にどのように役に立つのかは、以下の表をご覧ください。

想定されるリスクやトラブル状況でのCEU「なし」と「あり」の違い

想定されるリスクやトラブルChrome Education Upgrade なしChrome Education Upgrade あり
生徒が端末を紛失した場合の情報漏洩管理者による操作ロックができない。そのため、第三者による不正ログインなどのリスクが高まる遠隔で、第三者が操作できないように管理者がロックをかけることができる
学習に関係のないアプリケーションの利用生徒が許可なく多様なアプリケーションのインストールや使用を行う管理者が許可したアプリケーション以外はインストールできないようにするなどの対策が可能
生徒が他生徒の端末を不正に操作し、ファイルを削除するなどのいたずらをする端末の所有者本人が独自に設定を行う必要があり、意識の違いや抜け道が生じる。
結果、本人以外が操作する可能性が高まる
  • ログインせずに操作が可能な「ゲストモード」を禁止
  • 離席中に一定時間が経過した場合に強制的にパスワード入力を求める

ほか、管理者側で多様な対策ができる

校内で撮影された写真や、学習に使用したファイルを生徒が許可なく外部に共有するGoogle Workspace のアカウントへの設定で、外部とのファイル共有を禁止していたとしても、
Chromebook に個人の Gmail などの Google アカウントでログインできてしまうので防げない
アカウントやドライブ側の設定と併せて、Chromebook に以下のような設定をすることでより強固な対策ができる

  • 学校で作成したアカウント以外(個人の Gmail など)では Chromebook にログインできないようにする
  • ログインせずに操作が可能な「ゲストモード」を禁止する
  • インターネットからダウンロードしたファイルの保存先を Google ドライブに限定する

など

 

また、Chrome Education Upgrade がない場合は、学校のネットワークへの自動接続の設定もできないので、導入時に手動でネットワーク情報を入力し、接続する必要があります。
 
これらのケースは一例です。他にも、多くのリスクと対策が考えられます。
特に1人1台の導入にあたっては、機会の分だけリスクについても多くなるものとお考えいただき、Chrome Education Upgrade を導入していただくことを推奨させていただきます。

より詳しく知る

以下の記事では、Chrome Education Upgrade ありとなしの違いを、よりわかりやすく詳細に解説しております。より詳しくお知りになりたい場合はご参照ください。

Q3 Chrome Education Upgrade なしで Chromebook を調達するとどれくらい安くなるのでしょうか?

A3 Chrome Education Upgrade の通常価格は、4,200円(税抜)です。
1台ごとに買い切りのライセンスですので、継続的な費用はかかりません。
上記は通常価格ですので、販売店ごとに価格設定は異なる可能性がありますが、目安としてご参考下さい。

※Chrome Education Upgrade なし(Chromebook 本体のみ)の販売の可否は販売店により異なります。
※付帯する設定費用など、Chrome Education Upgrade なしの場合の価格差についても販売店ごとに異なります。

Q4 Chrome Education Upgrade 付きの Chromebook を複数の販売店から購入した場合、設定内容が変わってしまい端末管理ができなくなるということはありますか?

A4 設定内容は変わりませんが、販売店によって対応範囲の違いはあり得ます。
以下の例を元に仕組みをご理解いただき、リスクを踏まえご検討ください。

一つの販売店が実施した設定内容は基本的に全ての Chromebook に適用されるが注意も必要

まず、「➀管理コンソールでの設定」と「➁エンロール作業」の2つの設定の工程についての理解が必要です。
そちらについては以下の質問をご参照ください。
関連する質問:学校で管理する Chromebook の設定の流れを教えてください。
 

異なる業者から購入した場合、上の質問で解説した、①②の対応範囲の違いはあり得ます。しかし、設定の内容が異なることはありません。
なぜなら、①の「管理コンソールでの設定」は、②「エンロール作業」で紐づいた全ての Chromebook に反映されるからです。
 
しかしながら、以下の例のように、販売店ごとの対応範囲の違いにより、一部の Chromebook に設定が反映されない可能性もあるので注意が必要です。

複数の販売店から Chromebook を購入した場合の例

  1. 販売店A の対応により、「①管理コンソールでの設定」が行われる
  2. 販売店A、販売店B、販売店Cにより、各社が販売した Chromebook に「②エンロール作業」が行われる
  3. 販売店D の販売内容には「②エンロール作業」が含まれていない
  4. →販売店 A,B,Cの Chromebook 全てに、販売店Aが実施した「①管理コンソールでの設定」が反映される。販売店Dの Chromebook には、設定が反映されない

 

 
つまり、①②の作業が漏れなく行われるように各販売店と調整を行うことで、理論上は、同一の設定とすることが可能です。しかし、販売店によって、作業の管理体制やフローが異なることが予想されます。
これによって、以下のようなリスクが想定されます。

複数社による設定作業を混在させることのリスク

リスク①:設定が反映されないまま納品される端末が出てくる可能性がある

作業スケジュールがバラバラになるため、タイミングによっては①の管理コンソールでの設定の前に②エンロール作業が行われるなど、不都合が生じる可能性があります。

リスク②:設定作業の際に初期不良が発覚した場合の対応

設定作業の際に検品を行い、初期不良品を発見する場合があります。その際の対応速度や対応内容は販売店によって異なりますので、対応が煩雑になったり生徒様の間で差異が生まれる可能性があります。

リスク③:設定がうまく反映されないといったトラブルが発生した場合、問題の特定が困難になる

万が一、設定がうまく反映されない場合、販売店のエンロール作業に起因するのか、管理コンソールでの設定不備に起因するのか、端末本体の問題なのか、一時的な問題なのかなどのいずれの原因も考えられ、問題の特定が困難になります。

Q5 推奨端末を Chromebook にした場合、Chrome Education Upgrade(MDM)の有無を保護者に選択してもらうことはできるのですか?

A5 Chrome Education Upgrade(MDM)の有無を保護者様に選択していただくことは、強く「非推奨」とお答えしたいと思います。
保護者様が選択される場合、以下のような事態が想定されます。

Chrome Education Upgrade の有無を保護者が選択することを非推奨とさせていただく理由

①:保護者が購入の有無を決める際に混乱を招く

MDMは学校が管理するためのものであり、保護者が利用するためのものではないため、必要性の判断が難しく混乱を招くことが予測されます。

②:学習環境の違いが生まれる。また、利用ルールなどの秩序が維持できなくなる

MDMが選択性ということは、学校の管理下にある端末と、そうでない端末が混在することを指します。そのため、学習環境の違いや秩序の乱れなどが発生する可能性が高くなります。

③:MDMなしの端末は、安全性向上のための適切な設定が実施できない

MDMがある場合とない場合の違いについては、以下の質問や記事をご参照ください。

 

Q6 生徒が元々 Chromebook を所持していた場合、その Chromebook に Chrome Education Upgrade を付けて学校の管理対象とすることはできるのですか?

A6 販売店によって対応可否は異なると思われますが、物理的には可能です。Chromebook 間で設定や環境の違いを生じさせないための考え方として以下の2通りが考えられます。

元々 Chromebook を所持している生徒様がいらっしゃる場合の2通りの考え方

  1. 個人の Chromebook に、Chrome Education Upgrade を紐づけて学校の管理対象とする。
  2. 学習に使用する端末であるため、一律、適切な管理のもとに置く方針を示した上で、改めて学校推奨の Chromebook を購入していただくことを推奨する。

 

※管理下にある Chromebook と、そうでない Chromebook が混在することを避ける前提で記載しております。

従来から保有していた個人の Chromebook を管理対象とする際の説明事項の例

  • Chromebook のエンロール作業前に初期化を行うことへの同意を求める
  • 初期化に伴って、ローカルストレージに保存されているファイルが削除されるため、あらかじめ Google ドライブなどにアップロードしておくなどの対策を推奨する
  • 学校様の管理対象となることで、利用上の制限(アプリケーションのインストール制限など)がかかり、従来と全く同等の利用はできない可能性があることの説明をし、同意を求める

 

具体的にどのような管理が考えられるのかについては、以下の質問をご参照ください。
 
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  • テーマ内の情報

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