【郁文館夢学園】Chromebook 導入インタビュー

郁文館夢学園様
業種(大学、専門学校など)中高一貫職員数
所在地(都道府県)東京都生徒数1,472名

インタビュー

郁文館夢学園について

郁文館夢学園は明治22年に設立されました。郁文館という校名は、論語の一節「子曰く、周は二代に鑑みて、郁郁乎として文なる哉。吾は周に従わん。」に由来します。本校の教育システム「夢教育」は、中高一貫の6年間を通じて多彩なプログラムがあり、 夢をかなえる力をしっかりと向上させていきます。

Chromebook 導入に至ったきっかけ/経緯

2020年の大学入試制度の改革等、いま教育界では大きな変革が起こっています。こうした変化に対応するには、生徒の評価軸を増やすことが必要です。本校では学力だけでなく、協調性・リーダーシップ・表現力・活動記録等、多角的な評価軸を設けました。しかしやることが増えると時間が足りなくなります。時間を効率的に使うためにはICTの活用が不可欠という結論に至りました。
 ICTの導入にあたり、知名度の高さやサービスの実績から Google Apps ( 現・G Suite )を検討していました。 Chromebook は Google Apps との相性がよいことを知っていましたので、当初から注目していました。

導入前に懸念されていた課題と解決策

保護者にご理解いただくことが最も大切です。導入のメリットや将来のビジョン等、学校のプランをしっかり提示することで合意していただけました。
 ネットワーク環境の課題もありました。本校では既に高速なネットワーク回線が施設されていましたが、授業等で通信が集中した際のトラブルを避けるため、校務用の回線と生徒用の回線に分けることにしました。回線を分けると別々のポリシーを設定できるのでセキュリティ面でもメリットがあります。Wi-Fiアクセスポイントは1クラスの全端末が接続しても安定した通信ができるものを選び、全ての教室に設置しました。

Chromebook を導入した決め手

端末を導入する場合、トラブル発生時の負担についても想定しておく必要があります。特に「データの復元がしやすいか」「管理操作が容易であるか」という点を重視しました。最終的にインターフェースのわかりやすさやコストの優位性から Chromebook に決めました。

Chromebook をどのように活用していますか?

基本的には「必要なときに、必要な機能を活用する」というスタンスで使っています。例えば、漢字の書き取りテストは従来のように紙を使う方がいいでしょう。生徒や保護者への一斉連絡は電子ファイルを利用した方がメリットが大きい場合もあります。機能をいつどのように使うかは先生方の裁量次第ですが「この教科ではこの機能を使うと便利」「この機能を使うと情報をまとめやすい」というように、 Chromebook が助けになることを実感していただけると、いろいろな場面で積極的に試すようになって次第に活用の幅が広がっていき、全体的な時間の節約につながります。
 本校では力を伸ばす時間として「0時間目」を設定し、フレキシブルな授業をおこなっていますが、ここでも討論会やプレゼン等で Chromebook が活躍します。新しい試みとしては、ハングアウト(ビデオチャット)を使った合同映像授業をおこなっています。例えば新聞購読の授業で、レポーター役と教室を映像でつないでニュースに関係のある場所の様子を伝える等、社会学習に役立てています。レポーターはどんな場所でも一人いればよいので準備の手間もなく、すぐに実行できるのでとても使いやすいです。

実際に導入してみて良かった点/改善点

時間の使い方が変わりました。生徒はすきま時間に Chromebook で知識を取得しておき、授業では討論や発表等のグループワークをおこないます。今では Chromebook でプレゼンをするのが当たり前になっています。教師は活動内容に対してフィードバックをおこないます。本校の評価軸に沿った学習の流れを作ることができたと思います。
 Classroom はクラス活動の概要を保護者に通知できる機能がありますが、学習の状況を把握しやすいとのことで保護者のみなさまに好評です。
 個人的には Google フォーム (アンケート機能)が気に入っています。紙の場合は回収や集計が大変でレポートまでに2週間ほどかかっていたのですが、Google フォームを使うと3日もあれば終えられるようになりました。Chromebook は使いたいときにすぐ使えるので、時間の節約に役立っています。節約できた時間を生徒と向き合う時間により多く使えるのは本当に大きな収穫です。

今後の展望や期待すること

アイデア次第でいろいろな取り組みにチャレンジできるのもICTの素晴らしいところだと思います。本校の生徒は「夢手帳」という個人手帳にスケジュールや目標等を書き込んでいるのですが、ICTでこれらの情報を活用できないか考えています。
 生徒たちが初めて Chromebook を手にした時の喜びの声や表情が印象的で、教員としては本当に元気が出ます。今後はもっと時間を節約して、生徒のために使う時間を増やしていきたいです。
そのためにも、現場でICTのサポートを受けられるようになればと考えます。具体的にはサポート員による週に一回の学校巡回や、新任教員へのICT教育の実施等です。教員は技術面での負担や心配がなくなることで「生徒の力を伸ばす」という仕事に集中できると思います。そのような環境づくりを期待しています。