文部科学省が進めるICT活用推進事業とは?教育機関が行うことは?

ICT(情報通信技術)の進展に対応し、需要が増すIT人材を育成するために、平成21年度に文部科学省によってICT活用推進事業が創設されました。これによって数年前から、教育機関におけるICTの導入・活用への取り組みが進められています。

そして昨今はICTの活用を進めるための、具体的な動きとしてGIGAスクール構想をはじめ、教育機関におけるハードウェアの導入やソフトウェア・インフラ整備も進められています。

本記事ではICT活用推進事業の概要を踏まえ、ICT教育の目的やメリットについてご紹介していきます。また実際に教育機関がICT活用推進事業に対応する際に、必要になるハードウェアの導入やソフトウェア・インフラ整備についてもご紹介します。

ICT活用推進事業とは?

ICT活用推進事業とは、ICTの進展に対応し将来的なIT人材の育成に向けて、私立の大学、短期大学、高等専門学校でICTを活用した教育・学習方法の改善を図るための取り組みです。
またICT活用推進事業は、平成21年度に文部科学省によって創設された学校教育事業です。まずここではICT活用推進事業の補助対象や支援内容、過去のICT活用推進事業における取り組み事例をご紹介します。

補助対象になることと支援内容

ICTの活用を進めるにあたりスムーズに導入できるように、文部科学省ではICT活用推進事業の補助対象と支援内容について下記のように公表しています。

補助対象1.私立大学等において、ICTを活用した教育・学習方法の改善を図るために必要となる装置(ICT装置)の購入
2.1の装置の導入に伴い実施される教室、研究室、図書室等の施設改造工事の実施
3.既存の情報関連施設における冷房化工事の実施(情報関連機器の維持・管理のために必要なものに限る)
4.私立大学等及び専修学校における情報通信基盤を確立するための学内LANの整備、装置及び施設改造工事に要する事業経費の合計が1,000万円以上(専修学校は500万円以上)のものであること
※補助対象施設に係る施設改造工事費及び実施設計費は全額事業経費となるが、補助額を算定する上での施設改造工事費は補助対象面積に19万6,100円を乗じて得た額を、実施設計費は施設工事費の1%の額をそれぞれ上限とする
支援内容・装置の購入費
・施設改造費(学内LAN敷設工事を含む)
・冷房化工事費の1/2以内を補助

参考:文部科学省「ICT活用推進事業」

上記のようにICT活用推進事業では、ICT活用に伴う装置の購入費や施設の改造費などが主な補助対象・支援内容です。また補助・支援対象となる学校の選定は、外部の学識有識者によって構成される「私立大学等研究設備整備費等補助金等に係る選定委員会」の審査に基づく点が特徴です。

補助対象内容の範囲について

施設の改造工事では、学内LAN敷設工事をはじめ、ICT講義室や準備室などの附属室、研究者の研究室や教材開発室、図書室や研究の実施に必要となる附属室が補助範囲です。また工事費の範囲は本工事及び附属工事とし、補助対象内容の詳細は以下の通りです。

本工事費・建物のく体工事(基礎、軸組、床組、小屋組、壁解体工事等)
・仕上げ関係工事(天井、建具、造作、内外装及び諸仕上工事等)
・雑工事(建物に一般的に付随する黒板、掲示板、棚、鏡、講義室等の室名札の工事)
附属工事費・情報処理教育装置等のICT関連装置、またはコンピューター制御に係る教育・研究用の装置を備え付けている施設(教室、図書室、実験・実習室、研究室)の冷房化工事
・下記要件を備える私立大学等が行う研究教育に必要な情報通信ネットワークの構築に要する敷設工事、据付工事及び電源・電気配線工事
(ア)光ケーブル等敷設工事費
(イ)基幹ネットワークと無線基地局を結ぶケーブル敷設工事に要する経費
(ウ)ホストコンピュータ等の装置本体が、前年度以前に整備されているもの又は当該年度に整備がされるもの

参考:文部科学省「ICT活用推進事業」

過去のICT関連推進事業における取り組み事例

ここでは総務省から公表されている、過去に実施されたICT関連推進事業における2つの取り組み事例をご紹介します。

フューチャースクール推進事業(総務省)
実施期間平成22〜25年度
内容全児童生徒1人1台のタブレットPC、全ての普通教室へのインタラクティブ・ホワイト・ボードの配備、無線LAN環境、クラウドコンピューティング技術の活用などの活用によりICT環境を構築し、
情報通信技術面の実証研究を文部科学省と連携して実施。その結果を、ガイドライン(手引書)等としてとりまとめる。
実証校は全国の小学校10校、中学校8校、特別支援学校2校。

参考:総務省「フューチャースクール推進事業」

 

ICTまち・ひと・しごと創生推進事業」(総務省)
実施期間平成28年
内容「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を踏まえ、農業・医療・教育・防災など各分野で地域が直面する課題解決にICTを利活用し、各地域の産業や行政の効率化、
生産性向上を通じて地域の活性化に資することを目的とした事業を実施。
決定事業・クラウドを活用した有害鳥獣捕獲ワナ監視通報システム(徳島県阿波市)
・森林ICTプラットフォームを活用した地域活性化プロジェクト(福井県高浜町)
・離島の地産地・地産他消推進プロジェクト(沖縄県南大東村)
・地産地消システムを活用した高齢者買い物支援プロジェクト(沖縄県久米島町)
・個人番号カード活用による「なんとすこやか親子支援事業」(富山県南砺市)

参考:総務省 「ICTまち・ひと・しごと創生推進事業」

ICT教育とは?教育機関のICT活用推進事業に伴う取り組み

上記でご紹介したように、文部科学省のICT活用推進事業や、総務省のICT関連推進事業を中心として、さまざまなICT関係の取り組みが進められています。ここからなぜICT教育が必要とされ、ICT活用推進事業が推進されているのかをICT教育の目的やメリットからご紹介していきます。それを踏まえ過去のICT教育推進事業における取り組み事例をみていきます。

ICT教育の目的

ICTの発展に伴い、今やコンピューターは企業活動をはじめさまざまな場面で必要とされています。実際に多くの企業では仕事でコンピューターを扱うシーンは多く、コンピューターの知識やスキルは社会人としての基本的なスキルとなっています。そのため学生の時期から、コンピューターの知識やスキルを身につけ、ICTについても理解しておくことが重要です。
また今後IT需要が高まる中で、日本ではIT人材が不足する状況にあります。そうした将来を担うIT人材を育成することからも、ICT教育が推進されています。さらに教育にICTを取り入れることで効率的な学習環境の整備、学習方法・学習内容の幅を広げ、IT人材を育成するのも1つの目的です。

ICT教育のメリット

ICT教育を導入することで、アナログでは実現できなかった教育が実現します。例えばICT教育により、動画や音声を含む授業、物理的距離のある人とのオンライン上でのやりとりが可能となり学習の幅が広がります。また学習の幅が広がることで生徒が学べる内容が充実し、生徒の興味・関心を高める効果も期待でき、生徒の学習意欲向上のメリットも得られます。これらは結果的に就業時の可能性を広げることにもつながります。
さらに早くから将来的に必要な情報活用能力が身につけられる点もICT教育のメリットです。加えて教員はICTを用いることで効率的な学習体制の整備や授業ができ、業務効率化にもつながるため、教員側にもICT教育はメリットがあります。

過去のICT活用推進事業における取り組み事例

ここではICT活用推進事業における、過去の取り組み事例を2つご紹介します。

平成30年度 「情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン」(文部科学省)

情報化社会の進展により、大量の情報の中から必要な情報を取捨選択することや、コミュニケーションの手段としてコンピューターや情報通信ネットワークなどを活用する能力が求められるようになっています。そうした能力を、学校教育の場で身につけられるよう、下記学習内容が提示されました。

想定される学習内容
基本的な操作等キーボード入力やインターネット上の情報の閲覧など、基本的な操作の習得等に関するもの 等
問題解決・探求における情報活用問題を解決するために必要な情報を集め、その情報を整理・分析し、解決への見通しをもつことができる等、問題解決・探求における情報活用に関するもの 等
プログラミング単純な繰り返しを含んだプログラムの作成や問題解決のためにどのような情報を、どんな時に、どれだけ必要とし、どのように処理するかといった道筋を立て、実践しようとするもの 等
情報モラル・情報セキュリティSNS、ブログ等、相互通信を伴う情報手段に関する知識及び技能を身につけるものや情報を多角的・多面的に捉えたり、複数の情報を基に自分の考えを深めたりするもの 等

参考:文部科学省「情報活用能力を育成するためのカリキュラム・マネジメントの在り方と授業デザイン」

平成31年度 「学習の基盤となる資質・能力としての体系表例とカリキュラム・マネジメントモデルの活用情報活用能力の育成」

上記学習内容の目的を具体的に捉えられるよう、文部科学省では情報活用能力の要素を下記のように3つに分類して例示しています。また下記の情報活用能力をステップ1(小学校低学年程度)〜ステップ5(高等学校修了段階)に分け、学習の実施を進めています。

A.知識及び技能1 情報と情報技術を適切に活用するための知識と技能
2 問題解決・探求における情報活用の方法の理解
3 情報モラル・情報セキュリティなどについての理解
B.思考力、判断力、表現力等1 問題解決・探求における情報を活用する力(プログラミング的思考・情報モラル・情報セキュリティを含む)
C.学びに向かう力、人間性等1 問題解決・探求における情報活用の態度
2 情報モラル・情報セキュリティなどについての態度

参考:文部科学省「学習の基盤となる資質・能力としての 体系表例とカリキュラム・マネジメントモデルの活用 情報活用能力の育成」

ICT活用推進事業に伴うICT教育で必要になること

実際に教育の現場でICT活用推進事業に伴うICT教育を進めるにあたって、前提としてハードウェア・ソフトウェア・インフラの整備が必要です。ICTを活用するには、パソコンやタブレットといったハードウェアと、ハードウェアを動かすための通信環境・インフラ整備が進められています。そして学習を効率的に活用するためのソフトウェアを導入して、はじめてICT教育が形になります。最後にICT教育におすすめのハードウェアやソフトウェア・インフラをご紹介します。

ハードウェアの導入には Chromebook がおすすめ

学習のメインとなるハードウェアには、文部科学省も推奨する3端末の内の1つであるChromebook がおすすめです。 Chromebook は、Google が独自に開発した Chrom OS搭載のノートPCです。

端末費が4〜5万円と低コストながら、学習に最適なスペックを兼ね備えています。さらに衝撃に強いなど、教育現場におけるリスクに配慮して提供されています。また実際に多くの教育現場で導入されており、実績が豊富なのが Chromebook の特徴です。

ソフトウェアの整備には Google Workspace for Education がおすすめ

ソフトウェアの整備には、ICT教育に必要なツールが一括で利用できる Google Workspace for Education がおすすめです。教員の管理画面1つでクラス生徒の端末設定が可能で、テストやアンケート調査の実施も一貫して行えるため多くのメリットがあります。そうした利便性に加え、個人情報を扱う教育の現場で重要な、セキュリティ性も充実しています。

さらにグループ学習で活用できる機能はもちろん、出欠や宿題、成績の管理なども一括で行えるため、教員の業務効率化にも貢献する点が特徴です。また Google が提供するツールであることから、 Chromebook と相性が良い点でも教育機関が導入するソフトウェアとして最適です。

ミカサ商事では、教育機関での Google アカウントの年次更新代行や、管理者向けの運用支援を承っております。また Google for Education 認定トレーニング講師による管理者研修も実施しております。
今までに400校以上の学校様の導入を支援させて頂いておりますので、これから Chromebook の導入や Google Workspace の導入を進めたい教育機関、導入の負担を削減したいとお考えのご担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。