学校でのタブレット活用方法!授業例や導入事例を基にメリットや費用を解説

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GIGAスクール構想の実現に向けて、小中学校では生徒1人につき1台のコンピューター・タブレットの導入、インターネット環境の整備など、ICT環境の整備が進められてきました。
その中でもタブレットは軽量でスムーズな動作や直感的な操作ができることが特徴で、学校での導入も進んでいます。本記事では学校におけるタブレット活用のメリット、活用事例などについてご紹介していきます。
学校で導入したタブレットの活用を推進したいとお考えの場合や、導入した際の事例を確認したい場合にはぜひ参考にしてみてください。

なぜ学校でタブレット導入が進められているのか?

学校でのタブレット導入が進められている理由としては、GIGAスクール構想の実現のために、学校のICT環境整備にタブレットやパソコンが必要とされてきたことが挙げられます。

学校におけるGIGAスクール構想の実現

タブレットやパソコンの導入が進められた大きな要因は、GIGAスクール構想の実現です。そもそもGIGAスクール構想とは、全国の児童・生徒1人に1台のコンピューターと高速ネットワークを整備する取り組みのことです。令和元年度の補正予算に盛り込まれ、文部科学省から取り組みが公表されました。
昨今タブレットをはじめとするパソコンやスマホといったデジタル端末は、多くの人の生活に欠かせない存在です。また企業でのデジタル端末活用はもちろん、一般の家庭でも、そして小さなお子さんでもデジタル端末を使用するケースが多く見られるようになっています。
こうした生活様式の変化からITの活用やIT人材が求められていますが、先進国の中でも特に日本では、そうした人材育成が遅れをとっていると言われています。
この事態に対応するために学校では、ICT(情報通信技術)環境を整備し、IT人材の育成が求められています。

学校のICT環境整備にタブレットやパソコンが必要

上記でご紹介したGIGAスクール構想の実現のために、学校におけるICT環境の整備が必要とされ、その一環としてタブレットやパソコンといったデジタル端末の導入が急ぎ進められてきました。
また学校ではプログラミング教育の必修化も開始され、授業の一環としてタブレットやパソコンを使用する機会も増加しています。
さらに早期に対応を進めていた学校では、すでにタブレットやパソコンの活用はもちろん、生徒の能動的な学習につながるアプリの導入や教員の業務効率向上につながる取り組みも実施されています。

学校におけるタブレット活用のメリット

実際に学校にタブレットを導入し、活用することによって得られるメリットは以下の点が挙げられます。

効率的な一斉学習を実現

多くの学校では教員が1人で大勢のクラスメイトに対して授業をする、一斉学習・授業が一般的です。こうした一斉学習の際にタブレットを活用したICT教育をすることで、生徒の興味や関心を高めた授業が可能です。
その他にも学校教育で欠かせないテストや宿題といった教材の共有、授業のふりかえりやアンケート調査の実施もタブレットを活用することで効率的に行える点がメリットです。

生徒個人の主体的な学習環境の実現

上記のような一斉学習は、生徒・教員間や生徒同士でコミュニケーションをとったりと学校で必要とされる学習形態です。しかし場合によっては、個別学習が必要になるケースもあります。
タブレットを活用することで、効率的な調べ学習や好奇心に合わせて自主的な学習の後押しも可能になります。それにより生徒一人ひとりにあった学習環境の実現が2つ目のメリットです。

協働学習を活性化させる

協働学習とは、生徒同士が教え合い学び合う協働的な学びのことで、グループ活動が協働学習の代表です。協働学習の際にタブレットを活用することで、より活発な意見交換やアイデア創出が期待できます。
また生徒の協働によって、協調性や表現力、思考力、判断力、コミュニケーション能力など、さまざまな能力を養う効果が期待できます。

学校におけるタブレットの活用事例

ここからは学校におけるタブレットの活用事例についてみていきましょう。実際に学校がタブレットを導入し活用する際には、下記のような事例を知り現場に応用することが重要です。

実際の学校での活用事例をまとめた資料はこちらから

タブレット活用による効率的な一斉学習の実現

上記でご紹介したように、タブレット活用のメリットの1つは効率的な一斉学習の実現です。ここでは学校でのタブレット活用による一斉学習の具体的な事例を交えて、ご紹介していきます。

授業の動画を配布するとき

生徒がタブレットを持っていれば、授業の動画や課題を配信していつでも見られるようにすることができます。これにより、(1)授業の時間を有効に活用できる (2)生徒の理解度を高めることができる (3)時間や場所にとらわれない復習や反転学習ができる といったメリットがあります。

英語の先生の「自習の時間があっても授業進度に遅れをとらない工夫」の実践例

自習の時間でもライブ(生の)授業のようにできるのがかなり強みだと思います。例えば、

①PowerPoint に音声を吹き込んだものを Google Classroom ※で配信して、それを自習の時間に見てもらう。
②その後、関連する内容のテストにフォームで答えて提出してもらう

とすることで、自習でも生徒が取り組んだかの確認がとれます。
というのも、他の学年だと Chromebook (タブレットPC) を持っていないので、自習の時間にはプリントを用意して、授業進度に遅れをとるというのが今までの感触でした。Chromebook を使うと、その日進めたい授業をそのまま、動画をとるなり音声を吹き込むなりすれば、授業が1つ分進むので、個人的にはかなりいいなと思います。プリントを印刷する手間も、それをチェックする手間もないですし、点数を見ればどのくらいきちんと動画を見たのかが分かります。さらには YouTube にスライドもアップロードして、再生回数をみればどのくらいの生徒が見たのかも確認できます。

※ Google Classroom とは、課題などのやりとりをオンラインで行うことができる無料の学習管理プラットフォーム

生徒へ教材を提示するとき

生徒の手元にあるタブレットに、先生が共有したい資料などを表示させることで、自由度の高い作業を促せます。例えば、タブレットであれば紙と違って資料の拡大・縮小、画面への書き込みなどができます。

理科の授業で、植物の成長過程を示した資料を共有する際に、生徒が手元で書き込みながら理解を深めるなどといったことが考えられます。

宿題や成果物を回収するとき

上記のように、生徒が共有された資料に書き込みなどを行った場合、その資料を回収し今後の授業に活かすことも必要です。タブレットであれば、回収の際にペーパーレスで簡単に作業を進められます。
このように、生徒・先生のどちらの手間も削減できるだけでなく、紙と違って生徒の手元に成果物が残ることも大きなメリットです。

1人1台の タブレットPC(Chromebook)を導入している学年の学年主任の先生

一番のメリットは、今まで紙でとっていたアンケートや講演会の記録を、代わりに Chromebook と Classi のポートフォリオを利用して入力させていく、という形がとれることですかね。
教員の自分はそれを記録として蓄積できて、生徒本人も見られる。紙だと提出した後に先生が返さなかったりすることもあるんですけど、ポートフォリオでは本人も保管できて、見つめ直しなどもできるので。

タブレット活用で場所にとらわれない個別学習の実現

タブレットはインターネット環境があれば、いつでもどこでも個別学習が実現します。ここでは学校のタブレット活用による個別学習の具体的な事例を交えて、ご紹介していきます。

生徒一人一人の能力に応じた学習環境の整備

事情によって学校に登校しにくくなってしまった生徒、他の生徒と関わるのが苦手な生徒、学校の授業についていけない生徒など、学校には様々な生徒が在籍しています。
このような生徒にも平等に学習環境を整え、生徒個人の主体的な学習をサポートするのも教員の役割になります。その際、タブレットを活用することで、生徒一人一人の能力に応じた学習環境が整備できるのもタブレット活用の魅力です。

タブレットを活用した情報収集

タブレットを活用することで、生徒は授業中以外にも情報収集ができます。例えば休み時間に気になることがあれば、それについてすぐに調べることができます。このように授業以外のタイミングでも、タブレットがあればスムーズに能動的な調べ学習ができます。

文章以外の表現方法を身につける

従来の学校教育では、文字・文章による表現が一般的でした。しかしタブレットを活用すれば、写真や音声、動画など文章以外でも表現ができます。実際に社会に出た際には、写真や音声、動画などさまざまな方法で、自分の意見や調査内容、報告書などをまとめるケースがあります。そのため、学校で文章以外の表現方法を身につけておくことは、将来的にも役に立ちます。

家庭学習を活性化させる

タブレットであればパソコンに比べても軽く、持ち運びにメリットがあります。そのため気軽に家に持ち帰って学習することも可能です。実際に家に持ち帰りインターネットで調べ物をしたり、授業で配布された資料を復習することもでき、家庭学習の活性化が期待できます。

情報の先生の「調べ学習」の実践例

SDGsについて内容が被らないように各々が興味のあることを選び、個人で調べ学習をし、まとめました。
その後、一つの Google ドキュメントを共有して、全員が調べて学んだ事を元に書きこんでいき、一つの作品を作り上げました。

今までも自分たちが調べてまとめることはしていましたが、共有して自分が書いた事や人の書いた事が随時変更されていく姿に生徒たちは感動していました。
自分の興味があることだけでなく、他の生徒の調べたことを共有したことで知識の幅が広がったと思います。

タブレット活用による主体的な協働学習の実現

最後はタブレット活用による主体的な協働学習の実現の例を見ていきます。ここでは学校のタブレット活用による協働学習の具体的な事例も交えて、ご紹介していきます。

意見・アイデアを共有した制作活動

タブレットを活用することで自宅にいる際や別の教室にいる際にも、意見・アイデアを共有し制作活動ができます。例えばグループ活動で、野外の植物を観察する担当と、教室で観察内容をまとめる担当で分担し、協働しながら学習できます。

共有した意見・アイデアの整理

共有した意見・アイデアの整理の際にもタブレットは有効です。例えば個人で調べ物をして調べた内容をグループで共有する際にも、タブレットであれば複数の意見・アイデアを同じ画面でスピーディに共有し、主体的な協働学習を実現できます。

他校との協働学習の実現

インターネットを通じタブレット上で、近隣の学校はもちろん地域外、さらには海外の学校とも連携して学習を進められます。外部とのグループワークは生徒の協調性や表現力、思考力、判断力、コミュニケーション能力など、さまざまな能力を養う効果が期待できます。

理科の先生の「協働学習」の実践例

生命の進化について、地質時代から新生代までを6つの範囲に別け、各班で担当の生徒を決めます。
班を代表して、各担当範囲で集まり、自分達の担当する範囲を調べます。
班に戻り、班の全員に、自分が調べまとめてきた内容を班員に伝えます。
Google スライドの共同編集機能を用いて、班の発表資料を作成します。

今までは、共用の1台のパソコンで、1人(または1部)の生徒がスライドを作成するか、模造紙などで作成するかのどちらかでした。どちらにしても、発表資料作成に、非常に時間がかかっていました。ですが、Google スライドでは、共同編集をすることができるので、全員がスライドの作成に携わることができました。

 

学校のタブレット導入にかかる費用

学校でのタブレット導入は多くの事例があり、生徒・教員ともにメリットがあります。しかし、実際に学校がタブレットを導入する際に気になるのが、学校のタブレット導入にかかる費用です。
GIGAスクール構想では、希望する全ての小学校と中学校、特別支援学校における、生徒1人1台の端末(タブレット・パソコン)の導入のため1人あたり最大4.5万円の補助金が用意されました。
実際のタブレットやパソコン選びに関しては金額や機能面で Google が提供しているChromebook がおすすめです。Chromebook はセキュリティ対策や使用できるアプリにも定評があり、導入実績も豊富で安心して利用できる端末です。

参考:GIGAスクール構想の実現

学校へタブレット・パソコンの導入を進めよう

実際に学校で教育に活用する際には、Google Workspace for Education の活用もおすすめです。
Google Workspace for Education は教育機関向けに提供されている学習支援のツールで、Chromebook との相性も良いのが特徴です。また上記でご紹介した事例のような、さまざまな生徒・教員をサポートする機能が搭載されています。より生徒の学習を活性化させ、教員の業務効率をアップさせるためにも、Chromebook と Google Workspace for Education はセットでの活用をおすすめします。

ミカサ商事では、教育機関でのGoogle アカウントの年次更新代行や、管理者向けの運用支援を承っております。また Google for Education 認定トレーニング講師による管理者研修も実施しております。
今までに400校以上の学校様の導入を支援させて頂いておりますので、これから Chromebook の導入や Google Workspace の導入を進めたい教育機関、導入の負担を削減したいとお考えのご担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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