GIGAスクール構想の概要 目的・メリット・デメリット・課題まで紹介

GIGAスクール構想は教育機関における重要なテーマとなっており、生徒1人1台のパソコン・タブレット導入や高速ネットワーク環境を整備することが求められていました。GIGAスクール構想は生徒や教員にさまざまなメリットがある政策ですが、デメリットや課題・問題点といった懸念点もあります。
本記事ではGIGAスクール構想の概要から目的・メリット・デメリット・課題までご紹介していきます。またGIGAスクール構想について網羅的にまとめていますので、GIGAスクール構想の大枠を理解する際にぜひ参考にしてください。

GIGAスクール構想の概要について

GIGAスクール構想は文部科学省が2019年12月に打ち出した政策です。GIGAスクール構想に取り組む際に必要とされたのが、児童生徒1人あたりに1台のパソコン・タブレットを導入することと高速ネットワーク環境の整備です。
高速ネットワーク環境の整備では、希望する全ての小・中・特支等における校内LANの整備に加えて、電源キャビネットの整備もセットで必要とされていました。
それぞれの導入・整備において補助対象や補助割合が決められ、導入支援の体制が作られたこともあり、2021年3月末までに小中学生1人1台の教育用端末の整備がほぼ完了した状態となっています。

参考:GIGAスクール構想の実現

GIGAスクール構想の目的 実現すること

GIGAスクール構想の主な目的は、次の4つが挙げられます。ここではそれぞれの目的について、深掘りしてご紹介していきます。

生徒個人に適した学びの環境を提供すること

GIGAスクール構想の主な目的は、現代に合わせた学習環境を整備し生徒一人一人に最適化された教育を提供することです。昨今はスマートフォンやタブレット、パソコンをはじめとするデジタルデバイス、ITやICTの活用が、ビジネスはもちろん生活にも必要になっています。
そうした時代の変化や社会の流れに教育機関も早い段階での対応が必要とされ、デジタルデバイス、ITやICTの活用を実現するためにもGIGAスクール構想の実現が求められました。

生徒の能動的な学びをサポートすること

GIGAスクール構想によって、生徒個人に適した学びの環境を提供できれば、生徒の能動的な学びが期待できます。例えばパソコン・タブレットの導入と高速ネットワーク環境の整備が進んでいれば、生徒が好奇心や知識欲を持った段階でスムーズに能動的な調べ学習ができます。
このように生徒が能動的な気持ちになったタイミングで、即座に情報にアクセスできれば生徒の学びを活性化できます。GIGAスクールではそうした生徒の能動的な学びのサポートに役立っています。

プログラミングのノウハウやITの知識を身につけること

プログラミング教育が必修化されたことにも、デジタルシフトする生活様式や社会の変化に対応し、経済を担う人材を育成するためという背景があります。実際に多くの企業でもITの知識が豊かな人材や、プログラミング技術のある人材が求められています。
特に少子高齢化社会が進み、働き手の不足が見込まれている日本社会では、ITやプログラムによっていかに少ない人口で生産性の高い仕事ができるかが鍵となっています。そうした点でも教育機関では、生徒がプログラミングのノウハウやITの知識を身につけることが重要になります。

教員の業務負担を削減すること

GIGAスクール構想は生徒の視点だけではありません。昨今は働き方改革をはじめとして、教育現場でも教員のさまざまな業務の効率化が求められています。そこでGIGAスクールによるデジタルデバイスやIT、ICTの活用は、教員の働き方にも変革をもたらす政策になっています。
例えば、紙で行っていたテストやアンケート、情報伝達をICTによってデジタル化することで、コピーや配布、収集、保管などの手間と時間を削減できます。この他にもビデオ通話を活用し遠隔で授業を行い移動の手間を削減したりなど、教員の業務負担の削減に貢献します。

GIGAスクール構想のメリット

上記でご紹介した4つの目的は、GIGAスクール構想におけるメリットの側面もありますが、そのほかに下記のようなメリットも挙げられます。

一斉学習から個人に最適化された学習環境へ

従来の教育機関における学習様式といえば、生徒30〜40名程度に対して教員が1人という構図でした。もちろんこうした学習様式は、生徒同士が同じ意識を持って目的に向かう協調性を育む際には有効な方法です。
しかし昨今はデジタルデバイスやICTの普及によって個別に学習するケースが増え、個人に最適化された学習環境の整備が重要なテーマとなっています。GIGAスクール構想によって、一斉学習から個人に最適化された学習環境を整えることができ、個人の能力をより伸ばす教育を進めることができます。

アクティブ・ラーニングの推進

アクティブ・ラーニングは、生徒が主体的に学習に参加する方法のことです。従来のような一斉学習の際には、挙手によって発言するケースが多く、大勢の前で発言することが苦手な生徒にとっては、本来の意見やアイデアを引き出せないケースも珍しくありませんでした。
GIGAスクール構想によって、デジタルデバイスを通した教育環境を整えることで、主体的に生徒が意見やアイデアを伝えやすくなる効果が期待できます。

必修化されたプログラミング教育へ貢献

2020年を機に、小学校におけるプログラミング教育が必修化されました。これによって基本的に全ての小学校でプログラミング学習が開始され、それ以降の年代の教育機関でもプログラミング教育導入が進んでいます。
プログラミング教育は、基本的にパソコンやネットワーク環境が必須とされています。GIGAスクール構想によって、パソコンに触れることやネットワークについての理解を進めることで、必修化されたプログラミング教育へ貢献できるメリットも期待できます。

教員同士の情報共有や作業をスムーズに

教員の業務負担を削減することも、GIGAスクール構想の目的の1つです。その他にも教員同士の情報共有や作業をスムーズにするメリットもあります。従来までの教員同士の情報共有は、USBメモリに保存したデータを手渡しで共有し、パソコンに取り込み作業するケースが一般的でした。
一方で、GIGAスクール構想では生徒のデータを電子的に収集でき、共有もクラウド上で行えるようになり、スムーズに情報共有や作業ができます。これにより教員同士が情報を手軽に共有でき、授業や宿題などをより適切なものにし、生徒の学習内容を底上げすることにもるながります。

GIGAスクール構想のデメリット

上記のようにGIGAスクール構想には多くのメリットがありますが、デメリットについても押さえておく必要があります。

保護者への説明や対応

GIGAスクール構想は保護者にとっても初めての取り組みです。GIGAスクールによるパソコンやタブレットなどのデバイスの扱いに、不安を感じたり心配になる保護者も少なくありません。
そのため事前にGIGAスクール構想の説明や必要性などを保護者にも共有し、理解を得ておくことも重要です。またトラブルがあった際の対応についても、事前に想定し教員同士で情報共有しておくと安心です。

ICT教育など教員側の取り組みや理解も必要とされる

業務効率向上に寄与するGIGAスクール構想ですが、教員側にとっても初めての取り組みです。そのためデジタルデバイスを活用したICT教育やクラウド上での情報共有、セキュリティ対策など、教員側の理解も必要とされています。
本来、GIGAスクール構想は生徒・教員ともにメリットのある政策ですが、取り組みが遅れたり理解が不十分だと、反対に生産性が悪くなってしまうケースも想定されます。

教員側のリテラシー次第では授業や作業が非効率になる

上記のように教員側の理解次第では、授業や作業が非効率になります、そのためGIGAスクール構想自体の理解をはじめ、ICT教育やデジタルデバイスの活用など教員側も理解を深める必要があります。また教員が理解するために、時間を割き学習する必要も出てくるケースも想定されますので、そうした点がデメリットになるでしょう。

GIGAスクール構想の課題と問題点

デメリットでご紹介したように保護者への対応や教員側の理解については、GIGAスクール構想を進める際に重要なテーマです。ここではあらかじめ把握しておくべき、課題を問題点についてご紹介していきます。

教育機関における機器導入・整備後の対応が重要

GIGAスクール構想では、生徒1人1台のパソコン・タブレットの導入と高速ネットワーク環境の整備が必要とされましたが、機器導入やネットワーク環境を整備すれば終わりではありません。
実際に機器導入・整備後の対応が重要で、活用してこそGIGAスクール構想は意味のあるものになります。そのため生徒の能動的な学びが実現できたか、教員の業務効率が向上したかなど、その後の成果まで注目することが重要です。このように導入後の成果についての確認と検証をどのようにするかが課題になります。

教員側のITリテラシーや指導スキルは十分か

GIGAスクールを進めるためには、教員側のITリテラシーや指導スキルが重要なポイントですが、初めての取り組みのため不安を感じたり戸惑うケースも少なくないでしょう。
しかし、生徒の状況を見ながら進める必要がある教育においては、どこまでのITリテラシーや指導スキルがあれば正解というものはなく、必要な条件や指標が見えにくいというのも問題点の一つになります。

世界的に遅れているICT教育の巻き返しは実現できるのか

日本は世界的にICT教育の取り組みが遅れているのが現状です。またGIGAスクール構想は、そうした遅れを取り戻すための政策でもあります。しかしここからICT教育を一気に加速させ、遅れを取り戻せるかは疑問で、どのようにICT教育を進めていくのかは課題になってきます。

GIGAスクール構想実現に向けて教育機関が対応すべきこと

上記でご紹介した課題や問題以外にも、さまざまな懸念点があるのも事実です。しかしGIGAスクール構想はすでに始まっています。まだ導入が進んでいない教育機関はいち早くパソコン・タブレットの導入やネットワークの活用を促進する環境を整備する必要があります。

パソコン・タブレットの導入

教育機関で導入するのに推奨されているパソコンやタブレットが公表されていますが、中でも Google の提供する Chromebook は多くのメリットがあります。主なメリットはGIGAスクールの要項を満たしたパソコンを安価に購入できること、クラウド上でのやりとりに適していること、セキュリティ対策に優れていることが挙げられます。
また各社が提供している OS よりも、多くの導入実績があり多くの教育機関で活用されています。実際に半数以上の自治体が Chromebook を選んでおり、信頼性の面でも Chromebook はおすすめの機器です。

参考:Google for Education 教育委員会向けGIGA スクール構想リサーチ 2020

ネットワークや活用を促進する環境の整備

Chromebook と併用して活用することでより業務効率向上が期待できるのが Google Workspace for Education を活用した環境整備です。Google Workspace for Education は、Google の提供する教育機関向けのクラウドサービスです。生徒の個別学習や協働学習など学習環境をより良いものにするためにもお勧めのサービスです。情報漏洩などを防ぐためのセキュリティ管理にも優れているため、GIGAスクール構想に際してぜひ導入しておきたいツールです。

ミカサ商事では、教育機関での Google アカウントの年次更新代行や、管理者向けの運用支援を承っております。また Google for Education 認定トレーニング講師による管理者研修も実施しております。
今までに400校以上の学校様の導入を支援させて頂いておりますので、これから Chromebook の導入や Google Workspace の導入を進めたい教育機関、導入の負担を削減したいとお考えのご担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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