【学校向け】Google 管理コンソールとは?特徴や機能を徹底解説

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会社におけるリモートワーク(テレワーク)需要の増大や、学校におけるGIGAスクール構想に伴う1人1台端末の整備が進んだことで、組織向けのクラウドツールである Google Workspace のシェアが急速に広まりました。
しかし、実際に Google Workspace を利用している場合でも、それを管理するための「Google 管理コンソール」については詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、Google Workspace を適切に管理するために必須である Google 管理コンソールというツールについて、具体的な特徴や機能を詳しく説明していきます。
特に、学校での Google Workspace for Education の運用において、Google 管理コンソールで具体的に何ができるか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

Google 管理コンソールとは?

Google 管理コンソールとは、Google Workspace のサービスに関する設定を一元管理できるダッシュボードツールのことです。
Google Workspace を導入した組織で使うことができ、管理者は Google 管理コンソールを使用することでさまざまな設定・管理を行うことができます。
「管理」という名前から難しそうな印象を受けるかもしれませんが、直感的なインターフェースを採用しているため、誰でも簡単に操作することが可能です。

Google 管理コンソールは個人アカウントには付属しない

Google 管理コンソールは、組織向けの Google Workspace だけに付くサービスです。そのため、個人用の無料アカウントには付属しません。
Google 管理コンソールが付属する Google Workspace のうち、教育機関向けのエディションは Google Workspace for Education と呼ばれており、その内訳は以下のようになっています。

エディション内容無償・有償
Education Fundamentals教育機関向けの最もベーシックなエディションです。

Gmail や Google Meet、Google ドキュメントなどのサービスを利用することができます。

無償
Education StandardEducation Fundamentals の機能に、高度なセキュリティ機能とIT機能が追加されています。

迷惑メール・不正ソフトのチェックなどを行うことができ、学習の中でのセキュリティリスクを緩和することができます。

有償
Teaching and Learning UpgradeEducation Fundamentals の機能のうち、教職員向けの機能が拡張されています。

過去の生徒の提出物を保存しておいたり、引用チェックなどの独自性レポートを無制限に利用できたりといった利点があります。

有償
Education PlusEducation Standard のセキュリティ性と Education Plus の機能拡張の双方を備えた最上位エディションです。

それらに加えて、学校での運用をさらにセキュアにする各種機能が備わっています。

有償

Google Workspace for Education の有償エディションは、Google に認められた正規販売代理店の中でも、販売資格を有する一部の事業者でしか購入することができません。
弊社ミカサ商事は、Chromebook が国内で展開された当初から Google の正規販売代理店ですので、もちろんこれらの有償エディションのご案内が可能です。導入をご検討のご担当者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

Google 管理コンソール利用に追加費用は不要

組織向けの Google Workspace であれば、無償エディション有償エディション問わず、追加費用なしで Google 管理コンソールを利用することができます。また、Google 管理コンソール内の「問い合わせ」メニューから、無料の公式サポートを受けることが可能です。
ただし、学校で Chromebook を学習端末として採用する場合は、純正の有料MDM(端末管理)ツールである Chrome Education Upgrade(CEU)の導入が推奨されています。
CEU を導入すると、Google 管理コンソール上でWorkspace だけでなく、生徒たちの Chromebook 端末の管理もできるようになります。紛失した際にリモートロックをかけるなどの対処も可能なので、学校で Chromebook を安全に利活用するためには必須のツールだといえます。

↓CEU については、こちらの記事でさらに詳しく説明しています↓

Chrome Education Upgrade とは? Chromebook の MDM を徹底解説【学校向け】 – 教育機関向けGoogle for Education 情報発信サイト

Chromebook の優位点を発揮するために必要な「Chrome Education Upgrade」というライセンスをご存知でしょうか。本記事では、特に学習者用端末として Chromebook の導入を検討する際に知っておきたい Chrome Education Upgrade の詳細について解説していきます。

Google 管理コンソールの機能とは?

Google 管理コンソールには、組織で Google Workspace を効率的かつ安全に利活用するための、さまざまな機能が含まれています。ここでは、それぞれの機能の全体像を確認しておきましょう。

機能内容
ユーザーユーザーアカウントの追加や削除ができます。
アプリGmail やカレンダーなどの各アプリの設定・管理を行うことができます。
お支払い現在の契約内容の確認をしたり、エディションのアップグレードやキャンセルなどをすることができます。
サービスの更新情報Google Workspace のアップデートに関するブログ投稿を読むことができます。
アラートドメイン内の潜在的な問題に関する通知(アラート)を確認することができます。
グループユーザーのグループ化、メーリングリストの作成を行うことができます。

1つのユーザーに対し、複数のグループを設定することも可能です。

組織部門ユーザーを組織・部門に分類し、設定とアプリを各々に適用させることができます。

グループと異なり、ユーザーが所属できる組織は1種類です。

ビルディングとリソース建物の共有リソース(設備や部屋など)をユーザーが予約できるように、カレンダーと連携させて管理することができます。
デバイス組織で使うデジタル端末(Chromebook 等)を管理することができます。
セキュリティ2段階認証の適用や、パスワードの監視と適用など、ユーザーアカウントのセキュリティ設定を管理できます。

エディションによっては、セキュリティダッシュボードの利用も可能です。

レポートレポートと監査ログを通して、組織での使用状況を確認できます。ユーザーの行動管理・分析に加えて、潜在的なセキュリティリスクを把握することが可能です。
アカウント設定組織名を変更したり、Google Workspace の通知設定を選択したりなど、組織の詳細情報をカスタマイズすることができます。
ドメインGoogle Workspace で複数のドメインを利用する場合、ドメインを追加・変更するなどの管理を行うことができます。
データの移行Google Workspace の新しいアカウントに、メールやカレンダーの予定、連絡先などのデータを移行させることができます。
管理者ロールユーザーの中から管理者を選択・追加することができます。アカウントの追加、パスワードの発行など、管理者ごとに異なる権限を与えることが可能です。
ルール不正使用があったら通知を送るなど、組織のデータ・ファイル・デバイスを保護するためのルールを設定することができます。
ダッシュボードGoogle Workspace の利用状況などのデータを分析し、組織内での適切な使用のための指標を確認することができます。
サポートチャット・電話・メールで Google 担当者のサポートを受けたり、特定のヘルプトピックを検索したりすることができます。

サポート内容の詳細はエディションによって異なります。

参考: 管理コンソールについて|Google

【学校向け】Google 管理コンソールの特徴

Google 管理コンソールを使うことで、追加費用をかけることなく Google Workspace のアカウント管理やセキュリティ対策を実施することが可能です。特に学習端末として Chromebook を導入している場合は、アカウントだけでなく端末の設定も一括管理することができ、学校の運用担当者の負担が大幅に軽減されます。
ここでは、Google 管理コンソールの主な特徴について確認しておきましょう。

クラウドサービスによる遠隔設定

Google 管理コンソールはクラウドサービスなので、管理者アカウントさえあれば端末を問わず、どこからでもログインすることが可能です。
また学校組織内の Chromebook 端末であれば、遠隔で設定変更をすることができるため、個々の端末を直接操作する必要がありません。

「教員向け」「生徒向け」などの設定分類が可能

学校で Chromebook を運用する場合、同じ種類の端末であっても、教員が使う場合と生徒が使う場合で利用可能な範囲設定を分ける必要が出てきます。
そのような場合も Google 管理コンソールを使えば、教員向け・生徒向けといった分類管理を一括で行うことができます。後から設定の細かい変更が必要になった場合も、状況に応じてスムーズに対応することが可能です。

無料で Google 公式サポートを受けられる

Google Workspace や Chromebook の機能、設定の仕方などでわからないことがあった場合は、Google 管理コンソールの「問い合わせ」メニューから、無料の公式サポートを受けることができます。

【学校向け】Google 管理コンソールでできること

上記のように、Google 管理コンソールには多くの機能があり、組織を一元的に管理することができます。とはいえ、多機能であるが故に、具体的にどんな課題が解決できるのかがわかりにくいのも事実です。
そのため、ここでは学校での Google Workspace の運用において、Google 管理コンソールがどのような課題解決に役立つのかを確認していきます。

学習に関係ないアプリのインストール防止

学校で用いる学習端末はオンラインで使用するため、何の制限もないままでは学習に関係ないアプリや、危険性の高いアプリを生徒がインストールしてしまう可能性があります。
しかし、Google 管理コンソールを使えば、端末にインストールされているアプリの利用許可を個別に設定し、それ以外のアプリ使用を防止することができます。
また、「教員は利用可能」「生徒は利用禁止」といったように、対象者の属性によって設定を変えることができるので、学習の幅を狭めることなく運用することが可能です。

危険なWebサイトへのアクセス防止

インターネット上のサイトは玉石混交です。学習に役立つ有益なサイトもあれば、何らかのトラブルに巻き込まれてしまったり、ウイルス被害に繋がってしまったりする可能性のある危険なサイトも多く存在します。
しかし、Google 管理コンソールを使えば、生徒がそのような危険性の高いWebサイトにアクセスすることを未然に防ぐことができます。具体的には、以下の3つの機能が有効です。

セーフサーチ

Google が「危険性がある」と判断したWebサイトを、検索結果から除外することができます。これにより、危険なサイトが偶然生徒の目に触れる機会を大幅に少なくすることに繋がります。

セーフブラウジング

危険性のあるサイトに生徒がアクセスしようとした際、ブラウザ上に警告画面を表示することができます。また、警告だけでは無視されてしまう恐れがある場合は、警告の出るサイトへのアクセスを全面禁止する設定も可能です。

URLのブロック

生徒の目に触れさせたくないサイトが具体的にわかっている場合は、URLを指定して閲覧をブロックすることが可能です。この場合、危険性のあるサイトに限らず、学習に無関係なサイトへのアクセス制限にも繋がります。

ネットサーフィンなどの私的利用の制限

生徒の学習の妨げとなるのは、危険性のあるサイトに限りません。仮に安全なサイトであっても、学習に関係ないサイトばかり見ていては学習効率が上がりません。特に、自宅に持ち帰って端末を使用する際は、ちょっと大きなスマートフォンといった調子で、興味の赴くままにネットサーフィンに耽ってしまう可能性があります。
とはいえ、指定したサイトしか見られないようにしてしまっては、学習の自由度が疎外されてしまいます。そこで有効なのが、ブラウザの履歴が消せないように設定することです。何を閲覧したかが学校の先生にわかってしまうと知っていれば、不用意にネットサーフィンをすることも少なくなるはずです。
履歴の削除禁止は、Google 管理コンソールを用いて以下の手順で設定可能です。

  1. 「ブラウザの設定」の項目から「常にブラウザの履歴を保存する」を選択
  2. 「ブラウザの履歴の削除」の項目から「履歴の削除を禁止」を選択

また、ブラウザの閲覧履歴が残らない「シークレットモード」についても、設定項目からモード自体を無効にすることができます。

Google Workspace を使いこなすには Google 管理コンソールが不可欠!

Google Workspace は、組織で共同作業をするうえで非常に便利なツールです。しかし、その中で生じるトラブルを防いだり、管理体制を最適化したりするためには、Google 管理コンソールの存在が不可欠です。
特に学校で運用する際には、生徒たちが学習端末を不適切に使用しないよう、より的確な運用管理が求められます。今回ご紹介したことを参考に、Google 管理コンソールを活用して学習効果の高い運用を実現させましょう。
Google Workspace の導入や運用についてのご相談はミカサ商事にお問い合わせください。