BYODとは?BYADとの違いや学校教育にBYADで端末導入を進める際のポイント

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学校教育でパソコンやタブレット端末を導入する際に BYOD、BYAD という方法があります。BYOD・BYAD はそれぞれメリット・デメリットがあるため、それぞれの特徴を踏まえて導入することが重要です。
ただし学校での端末導入では、学校側による管理を行うことができるBYAD での導入が主流になっています。本記事では BYOD と BYAD との違い、教育機関がBYADで端末導入を進める際のポイントや注意点についてご紹介していきます。

BYODとは?読み方とBYODの基本情報

BYOD(Bring Your Own Device)とは「個人が所有する端末を持ってくる」という意味で「ビーワイオーディ」と読みます。学校教育における BYOD は、生徒が元々持っていた、もしくは自由に選んで購入したパソコンやタブレットを学校に持ち込んで学習に活用することを指します。
また、BYOD は基本的にパソコンやタブレットの持ち込みという文脈で使われる言葉ですが、厳密には、デバイス(端末)はパソコン・タブレットに接続して使う装置の総称を意味します。そのためUSBメモリやSDカード、HDD、SSDなどが含まれるケースもあるので、その点は注意しましょう。

BYODとBYADの違い

BYOD に対して、BYAD(Bring Your Assigned Device)は「指定された端末を持ってくる」という意味で「ビーワイエーディ」と読みます。学校教育における BYAD は、自治体や学校が指定したパソコン・タブレットを購入し、学校に持ち込み活用することを指します。
そのため BYOD と BYAD の主な違いとしては、用意する端末が指定されているか否かです。また、BYOD と同様に BYAD でも、パソコンやタブレット以外のデバイスが含まれるケースがありますので注意しましょう。

BYOD・BYADのメリット・デメリット

上記のような違いがある BYOD と BYAD ですが、学校教育で導入するパソコンやタブレットといった端末は、日本では BYAD で導入されるケースが一般的です。その理由は、BYOD・BYAD、それぞれのメリット・デメリットにあります。

最大の違いは「管理ができるかどうか」

BYOD と BYAD の最大の違いは、学校側で端末を管理することができるかどうかです。
BYOD では、個人が所有する端末を持ち込むので、MDM(端末管理ツール)を使った管理やセキュリティ設定などを管理者側で行うことができません。一方、BYAD では学校が指定する端末を一律購入することになるので、対応する端末管理ツールを導入して管理を行うことができます。
BYOD では、良くも悪くも生徒が自由に端末を使うことができるので、学習に無関係な利用や危険に巻き込まれるリスクなどが高まります。

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BYODとBYADの比較表

「MDM による管理ができるかどうか」を除くその他のメリット・デメリットを簡潔にまとめると以下の通りです。

BYAD

Bring Your Assigned Devic

自治体や学校が指定する端末を購入

BYOD

Bring Your Own Device

個人が所有する自由な端末を持ち込み

主なメリット● 「みんな同じ」という平等感

● 操作やトラブルの種類が少なく済む

● 生徒は最初から操作に慣れている
● 新たに購入する必要がない家庭もある
主なデメリット● 保護者がスムーズに購入できる仕組みを用意する必要がある● OSや機種がバラバラな分、多種多様なトラブル対応が必要
● 自由であるがゆえに格差が見えやすい

学校教育における BYOD のメリット

学校教育における BYOD のメリットとして挙げられるのが、生徒は最初から操作に慣れている点、新たに購入する必要がない家庭もある点です。
自宅にあるパソコン・タブレットを既に使用している場合には、生徒は最初からその操作に慣れており、基本的な操作を学ぶ手間を最小限に使い始められます。そのためすぐに学校での学習にも活用できるでしょう。またパソコン・タブレットを持っている家庭であれば、新たに購入する必要がなく、コスト面でもメリットがあります。

学校教育における BYOD のデメリット

学校教育における BYOD のデメリットとして挙げられるのが、OS や機種がバラバラなため多種多様なトラブル対応が必要な点、端末の選定が自由であるがゆえに格差が見えやすい点です。
OS や機種、スペックがバラバラだと、発生するトラブルも多種多様で、パソコン・タブレットごとに対応が必要です。その分、教員側に時間と手間がかかってしまい、円滑に学習を進めるのが難しくなる可能性が高くなります。特にセキュリティ対策の面では、要注意です。
またパソコン・タブレットは安価なものであれば数万円ですが、高額なものであればノートパソコンでも数十万円になります。そのためパソコン・タブレットの選択が自由な分、家庭の格差が見えやすく、トラブルの原因となる可能性があり注意する必要があります。

学校教育における BYADのメリット

学校教育における BYAD のメリットとして挙げられるのが、「みんな同じ」という平等感がある点や、操作やトラブルの種類が少なく済む点です。
上述のように、 BYOD の場合は格差がトラブルの原因になる可能性がありますが、BYAD であれば平等なので端末の違いによるトラブルが起きにくい傾向にあると言えます。また教員側も OS や機種、スペックが同じであれば教えるのもスムーズで、効率的にパソコン・タブレット活用を進められます。さらに基本的には、その OS や機種におけるトラブルの対応を確認しておけば良いので、教員の負担を軽減し、本来の業務に注力できます。

学校教育における BYAD のデメリット

学校教育における BYAD のデメリットとして挙げられるのが、保護者がスムーズに購入できる仕組みを用意する必要があることです。
BYAD では学校が端末を指定し購入してもらうことになるため、保護者がトラブルなく購入できるようにするための端末購入に関する説明や集金、購入状況の管理を進める必要があります。

学校ではBYOD・BYAD どちらで端末導入を進める?


上述のように、学校のパソコン・タブレット導入では、公費による貸与の他には BYOD・BYAD の2つの方法があり、それぞれメリット・デメリットがあります。ただし実際に導入後に活用する教員の業務負担、生徒同士が足並みをそろえて学習できる点、セキュリティ対策、未然のトラブル防止などの面を考えると、学校では BYAD の端末導入がおすすめといえます。

GIGAスクール構想では BYAD での端末導入が基本

BYOD・BYAD のメリット・デメリットについてご紹介しましたが、「GIGAスクール構想」の実現を踏まえても BYAD がおすすめです。
公正な学びの実現には、学校が指定する端末を購入し生徒が同じ端末で学習できる、BYADでの導入がおすすめです。特に、公費ではなく保護者負担での調達が選択肢となる高校での端末整備方法では、BYOD と BYAD のどちらにするかが論点となりますが、文部科学省などの示す方針によると、BYAD での端末整備が望ましいことが読み取れます。

↓高校での政府の方針を踏まえた整備方法の解説はこちら↓

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教育機関がBYADで端末導入を進める際のポイント

ここからは実際に、教育機関が BYAD による端末導入を進める際のポイントについてご紹介していきます。

端末を購入しやすい方法を用意する

学校教育で端末を購入する際の費用負担は、基本的に生徒の保護者になります。BYADのデメリットでもご紹介したように、BYAD の端末購入の場合には、保護者がスムーズに購入できる仕組みを用意する必要があります。
端末を購入しやすい方法を用意するための具体的な方法としては、以下で解説する「交付金の活用」「保護者が直接購入できる販売店を活用」を参考にしてください。

交付金の活用 GIGAスクール構想における高校の端末購入負担を軽減

家庭状況などによっては、端末導入の費用を負担するのが重荷に感じる家庭もあるのが実情です。その際には、端末購入負担を軽減できる交付金の活用が可能です。
実際に1人1台端末が整備途上の場合、公費で端末を調達する場合に限らず、保護者への負担軽減策を講じる場合等においても新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用が可能となっています。
以下が、文部科学省から公表されています。

高等学校における端末整備については、昨年7月に実施した、GIGAスクール構想に関する教育関係者へのアンケートでも「自治体レベルで端末導入のばらつきがある状態を是正すべき。」などの御意見をいただいており、これも踏まえ、昨年12月に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」において、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用も含め、各都道府県における整備状況を国としてフォローアップし、必要な取組を促す」旨記載されたところです。現在、全ての都道府県において、1人1台端末の環境を整備するという方向と承知しておりますが、自治体が公費で整備したり、保護者にご購入いただく場合に負担軽減のための補助を行ったりするなど、その整備方針は様々です。
財源については、既に1人1台端末の環境整備に必要な経費の3分の1相当について地方財政措置が講じられていますが、その他、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などの国費も活用し、公費整備に限らず保護者負担の軽減を検討されている事例もありますので、こうした事例を周知するなど、全国どの高等学校においても1人1台端末の環境が速やかに実現されるよう支援してまいります。

引用:文部科学省高等学校における1人1台端末の環境整備について(文部科学大臣・デジタル大臣からのメッセージ)
参考:文部科学省GIGA スクール構想における高等学校の学習者用コンピュータ端末の整備の促進について(通知)

保護者が直接購入できる販売店を活用する

保護者にとって端末を購入しやすくするための方法として、学校を介さず保護者から直接購入や支払いを行うことができる販売店を活用することが考えられます。
例えば、この解説記事を書いているミカサ商事では、販売専用の Webサイトから保護者様に直接購入いただける仕組みをご用意しております。保護者様にとっては、Webサイトからワンクリックで購入できる手軽さや、選べるお支払い方法がメリットになります。また、学校様にとっては、購入に関わる業務負担を最小限にできる点がメリットです。

家庭の経済状況へ配慮する

BYAD では基本的に端末購入の費用を保護者が負担するため、家庭の経済状況へ配慮することも重要なポイントです。万が一、入学時に「端末を購入できない」という保護者からの申し出がある場合の対応も重要です。
その場合の対応としては、購入できるまでの間、一時的に貸与できる端末を用意しておく学校が多いようです。上述の交付金などを活用し、購入費用の一部を学校負担にすることも考えられます。また、上述のように、保護者から直接の購入が可能な販売店の場合は、分割払いに対応していると、保護者への経済的配慮に繋がりますので確認しておくことをおすすめいたします。

端末の導入や運用をサポートもしてくれる販売店を活用する

保護者がトラブルなく購入できるように、端末購入に関する説明や集金、購入状況の管理の体制を充実させておく必要があります。しかし学校側の業務負担を考えると、できる限り端末購入の説明や集金、購入状況の管理は、簡素化したいのが実情です。
購入案内などの配布文書の作成や、購入申込期間中の保護者からの問い合わせに対応できる販売店であれば、多忙な年度末の業務負担を軽減できます。

また、保護者としては、購入した端末をいざ使うという段階で、運用上のトラブルがあると学校での ICT活用に不安感を抱く原因になります。生徒や保護者が安心して使える環境を維持できるように、販売店による管理者向けの運用サポートなどのサービスを活用することも一つの手です。

学校教育にBYADで端末導入を進める際の注意点

最後に学校教育にBYADで端末導入を進める際の注意点についてご紹介していきます。

保護者負担での購入を踏まえて入念な説明を行う

ここまで触れてきたように、BYAD での端末購入は基本的に保護者負担になるので、保護者が納得感を持って購入に踏み出せるように、十分な説明が必要です。

↓以下の記事では、タブレット導入時に保護者に説明しておくべき内容について解説しています。↓

学校のタブレット端末導入での保護者向け説明テンプレ内容!先行導入校の対応事例と反応も解説【Chromebook の例付き】

高校では BYAD など保護者負担の方法も視野に入れ、1人1台のパソコンやタブレットを導入することが求められています。本記事では、GIGAスクールでの採用実績の多い Chromebook を例に、保護者への説明資料の内容について具体的に解説していきます。また、先行導入校で行った対応や反応についての実例も掲載しています。

標準仕様を確認しOS・スペックの基準を満たした端末を導入する

学校が学習者用端末を導入する際には、文部科学省から公表されている「GAGAスクール構想の実現 標準仕様書」をベースにするのが基本です。こちらに記載されている OS・スペックの基準を満たした端末を導入すれば問題ないでしょう。ただし、Windows OS についてはこのスペックでは快適な利用にはメモリなどのスペックが若干不足気味ですので、安価で低スペックでもサクサク動く Chromebook がよく採用されています。

参考:文部科学省GIGAスクール構想の実現 標準仕様書

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セキュリティ対策が充実した端末を導入する

端末導入の際には、生徒や教員の個人情報を扱うケースがあります。特に個人情報の漏洩には注意し、思わぬトラブルにつながらないようにセキュリティ対策に注意しましょう。

BYAD での1人1台タブレット端末導入はご相談ください

本記事では、BYOD や BYAD の違いや、BYAD で端末を整備する際に最適な方法について解説しました。この解説を行ったミカサ商事では、1人1台の Chromebook をBYADの形で整備されるのに最適なパッケージをご用意しております。

  1. 保護者が支払い方法を選べる専用 Web サイトでの販売
  2. 保護者様に安心していただける充実した内容の保証
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