アフターGIGA|GIGAスクール構想の現状と課題、解決方法とは

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文部科学省の主導で進められたGIGAスクール構想によって、多くの学校にデジタル端末が普及しました。しかし、端末の導入は下準備に過ぎません。GIGAスクール構想を地に足が付いたものとして実現するためには、その後の運用方法が非常に重要な意味を帯びてきます。
そこで今記事では、端末導入の次なるフェーズである「アフターGIGA」における課題と、その解決方法について解説していきます。端末導入後の運用方法についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

GIGAスクール構想の現状

教育現場のICT化のために1人1台端末の導入を目指すGIGAスクール構想は、2020年から文部科学省の主導で進められてきました。コロナウイルスの影響でリモート授業の必要性が高まったこともあり、当初の予定より早く導入が進み、2021年7月末時点では「全国の公立の小学校等の96.2%、中学校等の96.5%」において端末の利活用がスタートしました。

引用: GIGAスクール構想の進捗について|文部科学省

小中学校での端末整備はほぼ完了し、高校においても導入が進んでいる現在、事態は次なるフェーズである「アフターGIGA」に切り替わりつつあります。
アフターGIGAにおいては、導入した端末を運用していく中での課題が多数表面化するため、それらをしっかり見極めたうえで解決していくことが求められます。

アフターGIGA、その課題とは?

ここでは、アフターGIGAの段階に入りつつある現在では、どのような課題が浮彫になっているのか確認していきます。

課題①:教職員のITリテラシー不足

学校の教職員のITリテラシー不足は、アフターGIGAを生き抜くうえでの大きな課題です。
現在学校に通っている子どもたちは、幼少期からスマートフォンやタブレットに慣れ親しんでいるデジタルネイティブ世代です。そのため、1人1台の端末整備が整い、デジタル端末を用いた授業が当たり前となっていく中で、児童生徒のICT活用能力は今後さらに高まることが予想されます。しかし、それを使って授業を行う側のITリテラシーが不足したままでは、十分な学習効果を引き出すことはできません。
実際、株式会社イー・ラーニング研究所が2021年1月に全国の親世代男女に実施した調査では、「GIGAスクール構想の実現に向けての課題は何だと感じていますか」という問いに対し、「教師や保護者などITリテラシー・スキルの不足」が最多の回答として挙げられています。

引用: 子どもがいる親世代に聞いた「2021年 GIGAスクール構想とマイナンバーカードによる学習管理に関する調査」GIGAスクール構想に期待することの第1位は「子どものICT活用能力の強化」|PR TIMES

課題②:セキュリティ問題

インターネット接続が前提である以上、デジタル端末を用いた学習では、セキュリティ面でのトラブル発生リスクが無視できません。
東京商工リサーチが行った調査によると、2020年の情報漏えい・紛失事故のうち、約半数が「ウイルス感染・不正アクセス」によるものだったとされています。

参照: 「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査(2020年)| 東京商工リサーチ

この調査は上場企業を対象にしたものですが、1人1台端末の整備が進んだことで、今後学校でも同様のリスクが懸念されます。

↓GIGAスクール端末のセキュリティ対策については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています↓

Chromebook にウイルス対策は必要か?GIGAスクール機器としての安全性、セキュリティについて徹底解説 – 教育機関向けGoogle for Education 情報発信サイト

GIGAスクール機器として注目を集めている Chromebook ですが、そのセキュリティ面が気になる方も多いのではないでしょうか。Chromebook はウイルス対策をする必要があるのか、そもそもウイルスに感染すると何が起きるのか、今記事ではそれらについて解説を行います。

また、セキュリティリスクがあるのは生徒用の端末に限った話ではありません。校務で使う機会が増えることから、学校の先生が使うデジタル端末にも注意が必要です。
文部科学省では今年3月、学校でのICT活用に関する指針をまとめた「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の3度目となる改訂を発表しましたが、その変更内容は主に教職員の端末利用に関するものです。

参照: 教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン|文部科学省

アフターGIGAにおいては、生徒用か教職員用かを問わず、デジタル端末に適切なセキュリティ対策を施したうえで運用していくことが求められます。

課題③:端末の故障や破損、買い替え時の費用

デジタル端末は精密機器であるため、使用していく中で故障や破損をする可能性があります。そのため、アフターGIGAにおいては修理等に伴う費用問題が浮上してくることが予想されます。
また、一般的にタブレットやPCなどのデジタル端末の製品寿命は5年前後だと言われているため、導入から5年後以降には、端末の買い替えをするための費用負担が発生します。しかし、端末導入の際には政府の「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」に基づく地方財政措置があったものの、端末更新の際にそのような補助があるかどうかはわかりません。そのため、更新費用を自治体・学校で負担することになる可能性もあり、財政面における大きな課題になることが懸念されます。

参考: 「GIGAスクール構想の実現」に関する補助事業の概要について|文部科学省

アフターGIGAの課題を解決するには?

解決方法①:ITリテラシーを高めるための研修やサポートを受ける

教職員のITリテラシー不足を解決するためには、専門家による研修やサポートを受けることが効果的です。
そのため、文部科学省では学校のICT教育水準を上げるための外部人材である「ICT支援員」の配置を進めています。しかし、同省の調査研究によると2021年3月時点での配置状況は都道府県と市区町村ともに全体の43%にとどまっており、十分なサポート体制が整っているとは言い難い状況です。

参照: ICT支援員の配置状況と支援事例等|文部科学省

このような現状を踏まえると、教職員向けの効果的な研修やサポートを受けるには、学校で使用するデジタル端末についてのノウハウを持つ販売店に頼るのが近道です。

弊社ミカサ商事では、週1~3日の頻度で直接訪問して研修やコーチングを行う「ICT活用推進コンサル派遣プラン」と、主にオンラインでフォローアップを行う「ICT活用推進リーダー養成プラン」という2種類のサポートをご用意しております。学校様のご予算や状況に応じて選んでいただけるので、幅広いニーズに対応することが可能です。

導入後の活用にお悩みなら「ICT活用推進リーダー養成プラン」~教育現場出身のプロが活用推進をサポート~

解決方法②:デジタル教科書など、ソフト面の整備を進める

紙と鉛筆からデジタル端末へと、学習に用いるハード面での変更が行われても、授業の内容が同じでは意味がありません。デジタル端末を用いたICT教育の効果を高めるためには、そこで扱うソフト面の整備が必要不可欠です。具体的には、「デジタル教科書」と「MEXCBT」の2つの導入が求められます。

デジタル教科書

デジタル教科書とは、デジタル端末で閲覧することに特化した、デジタルデータの教科書です。各教科書会社から発行されており、文部科学省では2024年の本格導入が目指されています。

↓デジタル教科書については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています↓

デジタル教科書とは?導入する際のメリット・デメリットを解説します! – 教育機関向けGoogle for Education 情報発信サイト

GIGAスクール構想の実現に向けて、各学校で1人1台のデジタル学習端末の整備が進んできました。しかし、デジタル端末で効率的に授業を行うためには、ディスプレイ上で閲覧する「デジタル教科書」の存在が必要不可欠です。そこで今回の記事では、現在注目を集めているデジタル教科書とは何なのかという概要から、導入するメリットデメリット、閲覧するための具体的な方法に至るまでを詳しく解説していきます。

MEXCBT

MEXCBT(メクビット)とは、文部科学省によって開発されたオンライン学習システムのことです。インターネットさえあれば、学校や家庭などの場所を問わずにアクセス可能で、どこでも好きなときに学習に取り組むことが可能となります。

↓MEXCBTと関連システムである「学習eポータル」については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています↓

MEXCBTと学習eポータルとは?文部科学省が推進する両システムを詳しくご紹介 – 教育機関向けGoogle for Education 情報発信サイト

GIGAスクール構想の下で1人1台の学習端末整備が進んできた中、オンライン学習システム「MEXCBT(メクビット)」が、本格的に導入され始めます。しかし、「MEXCBT」および関連システムの「学習eポータル」について、まだ詳細を知らない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、文部科学省が推進する新システムであるMEXCBTと学習eポータルの特徴や、両者の違いについて詳しく紹介していきます。

解決方法③:端末のトラブルに対応できる業者を選ぶ

デジタル端末を使う限り、故障や破損といったトラブルの発生は避けられません。そのため、デジタル端末を購入する際には、端末トラブルに柔軟に対応してくれる業者を選ぶことが重要となります。

弊社ミカサ商事では、全国の小中学校の半数以上で採用された Chromebook のサポート付きパッケージをご案内しております。
端末の故障や破損が生じた際は、ご家庭から直接弊社にご連絡いただくことで、学校様を介さずに修理対応を行うことが可能です(所定の端末延長保証にご加入いただいた場合)。
また、端末の利用方法での不明点や不具合のお問い合わせなど、専門のヘルプデスクにお問い合わせいただくことで、スムーズに解決することができます。

サポート付Chromebookパッケージ

端末を導入して終わりではない。アフターGIGAへ向けた適切な運用を進めよう

GIGAスクール構想によって端末整備が進んだとはいえ、それは始まりに過ぎません。ICT教育を効率的に行いアフターGIGAを乗り越えるためには、運用の中で発生してくる課題に適切に対処していく必要があります。
弊社ミカサ商事では、Chromebook 導入後の運用方法にお悩みの学校様に向けたオンライン無料相談を実施しております。
国内初の教育機関向け Chromebook 正規販売店であり、これまでに全国400校以上の学校様や地方自治体様への導入実績がございますので、さまざまなお悩みに対応が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。